あなたのは願いは?
ある女性が、
大学受験に悩んでいた。
すると、
突然目の前に男性が現れ、
こう言った。
「あなたの願いは?」
女性は大学に合格したい、
と言った。
その後、
見事に女性は大学に合格した。
何年か後に、
その女性が就職に悩んでいた。
すると、
突然男性の声がした。
「あなたの願いは?」
女性は就職したい、
と言った。
その後、
見事に女性は就職した。
そのまた何年か後に、
その女性が人生に悩んでいた。
「あなたの願いは?」
女性は答えなかった。
聞こえなかったようだった。
男性は言った。
「順番を間違えたようだな・・・」
(終)
解説
男は暇を持て余した神様だった。
「順番を間違えた」というのは、
実は、願い事をひとつ叶える度に、
五感が一つ失われていた。
最初は視覚を失った。
なので、
2度目に男性が現れたことを、
彼女は声でしか認識していない。
そして2度目の願いで、
彼女は聴覚を失った。
3度目は何も聞こえていなかった。
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