SNSを使いこなす幽霊
これは、今さっき実際にあった話。
某動画サイトで面白い生放送をやっていたので見ていた。
放送を見ている人数は少なかったがコメントで盛り上がり、数人とツイッターIDを交換した。
そこから一番話のノリの合っていた人とDMを使ってスカイプIDを交換し、通話へと流れた。
もう少し話したかった
俺も相手も男だったので全く緊張もなく、好きな放送などの話で盛り上がっていたが、突然「○○は変わらないなー(笑)」と言われた。
『○○』は俺の事で、それも本名ではなくあだ名だ。
しかも、本名をもじったあだ名ではなく、中学時代の一部の人しか知らないあだ名だった。
特に深い意味のあるあだ名でもないから、アカウントでも使っていないし、もちろんSNSで呟いた事もない。
「久し振りで楽しかったよ!」と言われ、脳みそフル回転して思い当たる奴を考えた。
だが、男でこのあだ名を知っているのは本当に数人しかいない。
その中でも話のノリが合っていたのは、高校時代に事故で亡くなった△△しかいないと思い、思い切って「△△?」と聞くと、「ははは!たまには家に来いよな!」と言って通話が切れた。
スカイプをやった事がある人なら分かると思うが、通話が終わると相手のアカウントのページに通話時間が表示される。
なのに、通話が切れた瞬間にホーム画面に飛ばされた。
もしかして弟?他の家族?と思ってチャットで聞こうとしたが、相手のページを探すも何故か見つからない。
通話の前に少しチャットをしていたのにもかかわらず、その記録も消えている。
アカウントをブロックすれば相手からのチャットを拒否出来るが、その場合はアカウント名の表示は消せない。
つまり、俺自身が操作しない限り、俺側で相手の名前が消えるのはありえないのだ。
怖いというより、あそこで俺が名前を聞かなければもう少し△△と話せたのかな・・・と、今は切ない。
(終)