ある男性の後ろを追う真っ黒いヤツ
これは、私が中学生の時の体験談です。
その日の深夜、私はレンタルビデオを返すために自転車に乗っていました。
途中、とある大きな寺があるのですが、私はその時に寺の塀沿いを歩いている一人の男性を見かけたのです。
そして、通り過ぎざまになんとなくその男性を見ていたのですが、ふと違和感を覚え、立ち止まってよく観察してみました。
すると、その男性の後ろにはなんと、“兎跳びでピョンピョン飛び跳ねながら男性を追う真っ黒い影”がありました。
そんな話を友人にしてみたところ、友人は「ははは、こやつめ~」と言いながら脇腹を突いてきます。
(本当に見たのに・・・。でも、嘘臭すぎるから仕方ないか・・・。)
そんな思いで、私はこの体験をいつしか一つの笑い話にしていました。
そしてある日、私はふと母にこの笑い話を披露してみました。
すると、「え、あんたもなの?」と、てっきり笑うかと思った母は心底驚いた様子で私を問い詰めてきたのです。
そして、母は語りました。
私が見たものを、はるか昔に自称霊能力あるという父も見ていたことを。
そして、ソレに憑かれていたと思わしき知人が自殺したということも。
「お父さんが言うには疫病神の一種らしいんだけどね」と、話しを締め括りました。
そんなわけで、これが私の唯一の『見た』霊体験でございます。
皆様方も、お気をつけくださいね。
格好で判断してはいけないのは、どうやら人だけではないようですから。
(終)