7歳の娘が描いた家族の絵の中に
妻を亡くして今は7歳の娘と二人暮しの父子家庭。
ただし母に手伝ってもらっている。
マザコンではないが、母は本当に良いお袋という感じで、兄嫁たちとの仲もとても良好。
娘は母の作るご飯が好きだから、「ずっとおばあちゃんと一緒がいい」とよく言うくらいに、うちも良好な関係。
さて本題。
娘には霊感があるかもしれない。
前々から外を歩いている時なんかに、それらしい言動はあった。
家の中でもよくボーっと壁やら押し入れを見ていたりする。
それまでは「まぁ子供はそんなものだろう」と、さして気にしていなかった。
そして先月のこと。
家族の絵を描きましょうというお題で描かれた絵に、私と母と娘だけでなく、亡き妻らしき人物がいた。
サザエさんのような家と庭があって、その庭で4人並んでニコニコしている。
妻が一番のお気に入りだった服を着ていた4人目の謎の人物を私は指差して、「これは誰?」と聞いてみたら「ママ」と言う。
妻は娘が1歳の時に亡くなっているので、娘の記憶にはほとんどないはずだと思ったのだが…。
顔は区別のつかないくらい下手っぴなのだが、でも何となく立ち姿に特徴があるというか、「ああ、妻だな」とわかった。
私は、「何だよアイツ!まだいるのかよ。早く生まれ変わってこい!」なんて涙ぐんだ。
…なんて思っていたら、よく見ると『おうち』と書かれた家の窓に、”黒髪が長くて怖そうな女性っぽい人物”も描かれている。
ただ、これは誰?と聞けないまま1ヶ月が過ぎた。
我が家は私と娘と母しか足を踏み入れないはずなのだが、一体これは誰なのか?
そんな何とも言えない思いがずっとある。
(終)