うちで死んでいった生き物たちは
旦那と離婚を考えています。
旦那は一見優しげな35歳の公務員。
ですが、おかしなところが一つあります。
以前、旦那の希望で猫を飼っていました。
旦那は生き物を飼うのは初めて。
私は犬も猫も実家で長く飼っていました。
猫が家や私たちに慣れ始めた頃、猫は具合を悪くしてしまいました。
病院に連れて行き、薬を出してもらって安静にさせていると、旦那が近づいてぐったり寝ている猫にちょっかいをかけるので、弱々しい猫は旦那と遊んで安静にできません。
旦那を叱りつけ、構わないでゆっくり寝かせてあげるように言っても、私の目を盗んでまた構います。
猫は衰弱していき、家での安静は無理だと判断して入院させました。
しかし家に帰ると、旦那が寂しいからと勝手に猫を退院させていました。
そしてぐったりとして遊ぶ元気もなくした猫を、揺すぶったり無理やり歩かせたり。
その度に死んでしまうからやめるように言って止めても、目を離した隙にまたやる。
結局、猫は死んでしまいました。
旦那は号泣していました。
しばらくしてから、もうダメだと止めたのに、勝手に買ってきた文鳥とインコも猫の時のように死なせてしまいました。
初めのうちは生き物を飼い慣れていないせいかと思っていました。
けれど少しずつ異常に感じてきた頃に、私は風邪をこじらせてしまい寝込みました。
高熱で解熱剤の買い置きもなく、買いに行く気力もない状態。
熱が39度を超えてウトウトしていると、旦那が大声で呼ぶので起き上がってみれば、「ねえねえ、テレビ面白いよっ(笑)」と。
「寝かせて」と頼んで目を閉じると、バンバン叩いて起こされ、「何?」と目を開けると、ニヤニヤしながら「なんでもなーい(笑)」と。
「キツいから寝かせて」と強めに言ってウトウトすると、顔に水がかかり、何?と起き上がってみれば、旦那がニヤニヤしながら水鉄砲のおもちゃで私に水をかけていて、枕元はびしょ濡れに。
「おっそーい、起きるの遅っ(笑)」と言って、ゲラゲラと笑っている旦那。
これでは休めないと、トイレから携帯で実家に迎えに来てと電話をしました。
消え入りそうな私の電話での声を心配して両親が駆けつけてくれましたが、玄関先で「僕が付いていますのでご心配なく。今、眠った」と旦那の話し声で起き上がるも、玄関先に行った時には両親は帰ってしまっていました。
もうフラフラでした。
すぐに同じマンションの奥さんで旦那の愚痴を聞いてくれる方を思い出し、大げさだけど『助けて』とラインをしました。
奥さんはすぐに駆けつけてくれ、玄関先で旦那にあしらわれることもなく奥まで来てくれました。
びしょ濡れの枕元や転がっている水鉄砲を見て、有無を言わさず息子さんを呼び、私を運び出してくれました。
その後の検査で、私は肺炎になっていました。
ご近所の奥さんは命の恩人です。
これまでのこと、今回のことも、もしかして旦那は故意にやっているのではないかと思えてなりません。
そうであれば、うちで死んでいった生き物たちは殺されたことになります。
思い知らせたいです。
そして復讐してやりたい。
(終)