怪談話の後に起きた異変
高校時代、
部活の合宿に行った時の話。
合宿と言えば、
夜が本番ですよね。
当時の俺もその例に漏れず、
友人と一緒に後輩の女の子の
部屋に遊びに行きました。
後輩の女の子4人と、
俺と友人の計6人。
みんなでワイワイ雑談して、
夏のお約束とも言うべき、
怪談話に流れ込みました。
女の子たちは
怪談話なんか知らないし、
友人も俺も、
話2つ程でネタ切れ。
しかし、
そこで流れが途切れるのは
嫌だったので、
俺が無理やり、
その場ででっち上げた
嘘の怪談を続けました。
即興で作り上げた怪談を
6つ7つほど語って、
いざ大声を出して
驚かせようとした時。
突然、
後輩の中で一番肝の太い女の子が
悲鳴を上げました。
驚いて何事かと思うと、
彼女は窓の外に男の顔があった
と言うのです。
慌てて窓を開けて外を確認しましたが、
もちろん男の姿はありません。
その部屋は3階で、
ベランダはなく足場もないので、
覗くことなど
出来るはずがありません。
怪談を聞いていたために、
怖くなって有りもしないものを
見たのだろう、
と、その時は思いました。
そこへ、部活の顧問が
後輩の悲鳴を聞いて
やって来ました。
消灯時間をとっくに過ぎていたため、
俺と友人は怒られると思いました。
案の定、
顧問は怒りました。
「お前ら、こんな時間まで何やってる!
3人ともさっさと部屋に戻れ!」
その時に感じた恐怖は、
例えようがありません。
顧問は確かに3人と言いました。
後輩の女の子は4人とも同室で、
出て行くのは俺と友人の2人のはず。
ならば、
3人目は一体誰なのか?
顧問に3人目が誰なのか尋ねると、
きょとんとした表情で首を傾げます。
「あれ?おかしいな。
もう一人いなかったか?」
慌てて部屋に戻って
布団に潜り込みましたが、
結局怖くて眠れませんでした。
あなたも、怪談話をする時は
気をつけましょう。
実話でも創作でも、
出る時は出るようですよ・・・。
(終)