夜になると赤ん坊の声がする展望台

心霊スポットなんて、

 

どこに行っても

何かとあるものだ。

 

そしてもちろん、

 

宮古も小さい島だが、

もちろんある。

 

K間島の展望台。

 

そこもまた、

その一つである。

 

昼間はエメラルドグリーンの

キレイな海を一望出来る、

 

とてもいい展望台だが、

 

夜になると・・・

 

辺り一面が暗闇に包まれた

世界へと激変する。

 

そこには昔から、

こういう噂があった。

 

『夜中になると、

赤ん坊の声がする』

 

まぁ、どこにでもありそうな

話しですよねぇ~。

 

でも、ホントの話。

 

とある日の夜10時半、

4人の島んちゅがやって来た。

 

H「おいっ!ここ夜中になったら

赤ん坊の声がするっつぁ!」

 

Y「まじにな?

うわりやばいんじゃんなぁ~!

 

っていうか、

 

ここ街灯ないな?

暗すぎ」

 

T「まじでよ。

うわりあやすきーか!

 

まじで聞こえたらどうする?」

 

M「・・・」

 

という会話をしながら、

 

展望台を上へ上へと

上がっていく。

 

そして、一番上へと着く。

 

すると・・・

 

H「やば!

めっちゃ夜景奇麗さぁ!」

 

Y「だからよ」

 

T「おぉ~!

これは写真撮るべきだな!」

 

M「・・・」

 

そう、そこは何気に、

夜景もキレイだったのだ。

 

周りは街灯もなく

真っ暗だが、

 

一度、上にあがると、

 

宮古島の街の明かりが

キレイに見える。

 

そんなこんなで4人はひたすら、

そこでおしゃべりをしていた。

 

H「おい!そういえばよ~

 

最近、俺んちのシーサーが

逃げ出したさ~よ」

 

Y「は?やばくね?」

 

T「だからよ!

つんだら~さぁ~(笑)

 

M「・・・」

 

H「ちゃんと鍵掛けたんだけどな・・・」

 

Y「お前より頭がいいから、

自分で外して逃げたんじゃん(笑)

 

H「はぁ?なめんな(笑)

 

T「なんだっけ?

鍵使わずに開けるやつ・・・」

 

H「ん~」

 

Y「M!分からん?」

 

M「ピッキン・・・グーググーググー

ググーググーググーググーググー・・・」

 

H・Y・T「・・・」

 

H「はい。ところで、

今、何時?」

 

T「そ~ね、だいたいね~♪」

 

H「はいうざい!

何時かったら!」

 

T「ちょっと待ってて~♪」

 

H「うざいったら!!!」

 

T「悪い悪い(笑)

今は一時半くら~い♪」

 

ゆんたくしてると、

 

時間はあっという間に

過ぎていった。

 

すると、

 

ポツ・・・ポツ・・・

 

H「雨降ってきたくね?」

 

Y「っぽいな!どうする?」

 

T「もう少し居てみようぜ。

どうせ居ても濡れないんだし!」

 

H「だな!関係ないか!」

 

M「オッパッピー?」

 

H・Y・T「死ね!」

 

時刻は2時半。

 

一向に何も起る

気配は無かった。

 

みんなだんだんと

眠くなってきて、

 

帰ろうかということで、

みんな階段を降り始める。

 

すると、

 

『 ・ ・ ・ 』

 

H「今、何か聞こえなかった?」

 

Y「聞こえた!」

 

T「なっ!何か聞こえた!」

 

M「ごめん。俺のオナラ(笑)

 

H・Y・T「KO・RO・SU!」

 

『・・ァ・・・・ァ・・・』

 

H「いや待て、

赤ちゃんの声が聞こえる!」

 

Y・T「マジだ!やばくね?」

 

M「・・・」

 

『オギャー・・・オギャー』

 

H「イヤイヤイヤイヤ!!!」

 

Y「やばいでしょ?」

 

T「とりあえず逃げようぜ?

車に走れ!!!」

 

M「・・・」

 

みんなは一斉に、

車に走り出した。

 

その間、どこからともなく

聞こえる声・・・。

 

ある者は叫びながら・・・

 

ある者は耳を塞ぎながら・・・

 

ある者は笑いながら・・・

 

車に着くと、

みんなの動きが止まる。

 

H「嘘だろ・・・」

 

車の助手席に、

赤ん坊が居たのだ。

 

それを見たみんなは

ショックのあまり、

 

その場で腰を抜かして

座り込んでしまった。

 

H「無理無理無理無理・・・」

 

Y「あっ・・・あ・・・」

 

T「お母さん・・・」

 

M「・・・」

 

すると一人が、

あることに気づく。

 

Y「おっおい!H!

おっ、お前の後ろ・・・」

 

H「何?」

 

Hが振り向くと・・・

 

H「うっうわー!!!」

 

全身びしょ濡れの女の人が、

 

ゆっくりとこっちに向かって

歩いていた。

 

『・・ェセ・・・カエセ・・・』

 

『カエセ・・・カエセ・・・』

 

H「来るなー!!!

来るなー!!!」

 

Y「俺らは何も持ってない!!!

何もない!!!」

 

T「おがーざーん!!!」

 

『カエセ・・・カエセ・・・

 

ワタシノアカチャン・・・

カエセ・・・』

 

女は、ゆっくりゆっくりと

歩いて来て、

 

そして遂に目の前まで

来てしまった。

 

H「来るなー!!!

嫌だー!!!」

 

Y「うわー!!!」

 

T「ママー!!!」

 

M「スタッッフー!

スタッッフー!

 

助けてー!

スタッッフー!

 

そこの女、

ちょっとケインかな!

 

あっ、濃すぎってことね」

 

『カエセ・・・アガヂャンガエセ!』

 

H・Y・T・M「うわー!!!」

 

みんなはそのまま気を失い、

 

気がついた時には

朝になっていた。

 

4人は一目散に逃げていき、

二度とそこには近づかなかった。

 

あの赤ん坊と女の人の正体は、

誰にも分からないまま・・・。

 

もしその展望台を見つけた時は、

赤ん坊の声にお気をつけて・・・。

 

(終)

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