深夜の小学校で聞こえた鳴き声
僕が専門学生の時の
話なのですが・・・。
高校のラグビー部の友人先輩
計6人ぐらいで飲みに行き、
夜中の2時を回ったぐらいに
先輩が、
「よし、バスケしよ~ぜ」
と言いました。
これまでにも何回か、
飲んだ後に居酒屋近くの
小学校でバスケ!
みたいな事があり、
僕はとりわけシュートが
下手だったので先輩に、
「自分、先に行って
シュート練習してます」
と言って、
一人バスケットボールを抱えて
小学校へ走りました。
バスケットコートは、
グランドを正面とすると
校舎の側面、
校舎と道路を挟んだ所にあり、
僕は道路からフェンスを乗り越え、
シュート練習を始めました。
5~6本のシュートを
放った時です。
『ポロッポ~』
何だ?
ふとシュート練習を止め、
辺りを見回しました。
しかし、何もいません。
『ポロッポ~』
校舎の方からです。
鳩?
そう思いました・・・。
なんでこんな時間に?
とも思いつつ、
音のする校舎の方を
見つめました。
音のする方にあるのは
闇です。
校舎が月明かりを遮り、
街灯の光も届かない
一階部分の暗闇から
その音が・・・。
『ポロッポ~』
徐々に大きくなります。
僕は闇を凝視したまま
棒立ち状態。
頭の中はパニックです。
『ポロッポ~ポロッポ~』
鳴き声と共に、
闇が迫ってくるような感覚。
と言うより、
吸い込まれるよな感じ。
『ポロッポ~ポロッポ~』
『ポロッポ~』
『ポロッポ~』
僕のパニックは頂点に達し、
動く事も声を出す事も出来ず、
闇の中に。
と、突然、
「オイ!」
ハッと我に帰り振り向くと、
友人が目の前に。
「何、ボーとしてんの?」
と聞く友人に、
「今、鳩の鳴き声がして
暗闇が・・・」
とパニくる僕。
「鳴き声?
何も聞こえ無いけど・・・
何かあったの?」
深呼吸をして、
「いや・・・もう大丈夫。
ところでさ、
あそこに何があるの?」
と、この中学出身の友人に、
暗闇を指差しながら
聞いてみた。
「え?あぁ~
確か石油庫かな?」
その後、何度かここで
バスケをしましたが、
不思議な体験は
その一回だけです。
今考えて見ると、
鳩の鳴き声なのか
良く分からず、
何かの鳴き声と
深夜の学校、
そして一人という
シチュエーションが
パニックを引き起こした
だけかもしれません。
・・・が、その学校、
出るらしいのです。
(終)
クルッポー!
それは僕の仲間だよ。