あの恐怖の始まりはネットゲームから 2/2
A「どうして最近INしないの?
(´・ω・`)」
A「○○がいないと寂しいよ
(´・ω・`)」
A「もしかして僕のこと
嫌いになったの?
僕はこんなに好きなのに
(´・ω・`)」
最初の頃はのらりくらりと
かわしていたが、
私にも私生活がある。
Aは大学生、
私は社会人。
勤務中だろうが、
休憩中だろうが、
真夜中だろうが、
時間を問わずに
受信されるメールに、
ほとほと嫌気が差し、
ある日、意を決して
Aにこんなメールを送った。
『私はゲームしている間は
みんなと楽しく遊びたいし、
Aだけに特別な感情は
抱いてない。
真夜中のメールも、
迷惑になるから控えてほしい』
といった内容だった。
すると、Aから・・・
A「(´・ω・`)」
お決まりの返信だった。
もう、うんざりだった。
それ以来、
Aとのメールのやり取りは
無くなり、
ゲームにもほとんど
ログインしなくなった。
ログインしなくなって
3週間ほど経った頃。
ギルド内で仲良くしていた
他の人からメールが来た。
『最近見ないけど
忙しいのかな?
みんな寂しがってるから
たまにはINしてね^^
そうそう、
Aも大学辞めたとかなんとかで
忙しいみたいで、
全然いないんだよねー』
Aが大学を辞めたとの事。
嫌な予感がしたが、
その友達には、
暇になったらログインするね、
とだけ返信し、
すぐにその事は忘れた。
私は当時、
某資格系スクール講師の
仕事をしており、
主に無料体験スクールなどの
イベントを担当していた。
無料体験を行った日は、
最後に受講者にアンケートを
お願いしている。
授業の感想や講師の印象、
氏名や住所等をWEB上で入力する
簡単なアンケートだ。
アンケートを回収し、
結果をデータにまとめるのも
仕事の一環であり、
その日もいつものように
アンケート結果に目を通していた。
そして・・・
スクロールの手が止まり、
目がディスプレイに
釘付けになった。
【授業の感想】
(´・ω・`)
【講師の印象】
(´・ω・`)
【氏名】
Aのキャラ名
【住所】
関西
全身の毛が逆立った。
受講者の中にAがいたのだ。
確かにAがまだ普通だった
(だと思っていた?)頃、
なんの気なしに、
北海道の一番大きな都市の駅前にある
PC系資格学校で働いてる、
という事を教えたことがある。
恐ろしくなって仕事を
早々と切り上げた後、
自宅へは帰らずに
高速を使って、
200km離れている実家へ
非難した。
翌日が休みで助かった。
仲の良かったギルドメンバー
数人には事情を話し、
ゲームを引退することを告げた。
Aの近況を知るメンバーからの
情報によると、
Aは北海道で仕事を探している、
とのこと。
その後すぐに携帯を替え、
結婚のため退職し、
北海道を離れたそうだ。
当時、うかつに素性を明らかにしていた
私にも非があるとはいえ、
顔も知らないゲームの中だけの
付き合いで、
そこまで行動出来る人間が
いるというのが、
本当に恐ろしかった。
文章にするとあまり怖くない
かも知れないが、
あのアンケートを
発見した時の衝撃は、
今でも忘れられない。
そして、これ『(´・ω・`)』が
本当に苦手になった。
もう二度とネトゲはやらない。
(終)
(´・ω・`)怖いのだ