着物を着た女の子との約束
私の体験談。
だけど全く覚えてなくて、
親から聞いた話。
五歳の時、
姉の七五三の打ち合わせに、
母と祖母の家に行きました。
その帰り道、
「○○(私)も着物が着たい」
と私がしきりに言い始めた
そうです。
その理由が、
「チヨちゃんがかわいそうだから」
とのこと。
驚いて詳しく聞くと、
「倉を覗きに行ったら、
着物を着た女の子がいて
遊んでくれた。
お手玉や紙人形を
貸してくれた。
でも、鬼ごっこしよう
って言ったら、
お着物が重いから走れない
と断られた。
誰かが代わりに着てくれないと
脱げないと言うので、
○○(私)が代わりに着てあげる
約束をした」
とのことでした。
作り話かとも思ったそうですが、
「チヨちゃん、ずっとお着物を
着てるんだって!
『ひゃくまんねんぐらい?』
って聞いたら、
『百万年は着てない、
60年ぐらい』
って言ってた」
と妙にリアリティのある
話をするので怖くなり、
「○○(私)ちゃんはもうお着物あるから
それは着てあげられないよ」
と説得し、
急遽着物をあつらえ、
私も七五三のお祝いを
したそうです。
アルバムを見ていて、
なぜ私だけ五歳の七五三の
写真があるのか、
不思議に思って聞いたら
こんな話を聞かされ、
今さらビビリまくっています。
ちなみに当時、
祖母の家から
半径数キロ以内に、
小さな女の子がいる家は
なかったそうです。
そんな怖い約束・・・
無効になっていますように・・・。
(終)