強く憎しみを込めて念じると

念じる

 

私の母は高圧的な性格で、

その上に自己中。

 

突然何かにキレだすと、

 

相手を屈伏させるような物言いで怒鳴り、

感情をそのまま相手にぶつける、

 

子供にしてみたら迷惑なモラハラ人でした。

 

※モラハラ

精神的DV。 言葉や態度で精神的に傷つけたり、不安にさせて相手を洗脳し支配する(意のままに動かせる状態に置く)こと。 モラルハラスメント。

 

特に口喧嘩をすると、

本当に母が憎くなるようなことを喚き、

 

わざと相手が嫌がるようなことを

近所に聞こえるくらいの声で騒ぎます。

 

私は、それがイヤでイヤで

堪りませんでした。

 

その日、いつも以上に無性に腹が立ち、

母が死ねばいいのにと思いました。

 

そこで私は、

 

とっさに自分の履いていたサンダルを

母に投げつけて、

 

「お前なんか死ねばいいのに!!」

 

と怒鳴って家から飛び出しました。

 

翌日、

母が交通事故に遭いました。

 

スクーターに乗っていた母に

突然車がぶつかってきて、

 

母は眉間を強打しました。

 

あと少しずれていたら、

即死だったそうです。

 

母は入院先の病院で、

 

「娘にこんなことを言われた」

 

と友人に泣いて話していたようです。

 

私は小さな頃から何かが見えたりする

オカルト少女だったので、

 

母の友人は口々に、

 

『かをるちゃんは色んなものが見えたり

分かったりしちゃうことが多いんだから、

 

人を憎んだりしたらダメだよ』

 

と囲まれて諭されました。

 

私は偶然だと思っていたし、

たとえそうだとしても、

 

散々娘を小さな頃から傷つけておいて、

娘に呪われて怪我をしたなんて、

 

母をいい気味だと思っていました。

 

しかし反面、

 

もし溢れるばかりの憎しみを押さえ切れずに、

念じただけで誰かが不幸になったりしたら、

 

それこそ怖いことだと思い、

 

自分の感情などについて

反省もしたのですが・・・

 

それからしばらくして、

 

中学の体育の時間に私は平均台から落ちて、

腕を脱臼しました。

 

体育の顧問が慌てて私を車に乗せて、

病院で手当てをしてくれました。

 

その日の体育は急遽、

自習になってしまったのでした。

 

そして次の体育は雨だったので

保健体育の授業になり、

 

教室での教科書読みの授業が始まりました。

 

授業の最中にちょっと目立つ女の子が、

 

「あ~あ、体育やりたかったのに。

先週も誰かさんのせいで出来なかった~」

 

と大きな声で独り言のように話し始めました。

 

体育の顧問が、

 

「怪我をしちゃった子に

そういうことを言うのは止めなさい」

 

と制してくれましたが、

 

「あ~あ。

 

大体、平均台から落ちるとか、

超バカかっつうの。

 

授業つまんね~。

 

マジであのバカ女のせいだかんね、

ホント脱臼とかって迷惑」

 

と顧問の言葉を無視して、

 

当てつけがましく大きな声で

わざとらしく言うのです。

 

私は、そいつにムカムカしました。

 

わざと怪我したくてしたわけじゃないのに。

 

みんなが自習になっちゃったのは

申し訳ないけど、

 

そんな風に人を傷つけるなんて・・・

 

「あいつも同じ目に遭えばいいのに!!」

 

強く憎しみを込めながら、

願った記憶はあります。

 

翌日、その子の腕には

包帯が巻かれていました。

 

その日の放課後の部活で、

平均台から落ちて脱臼したそうです。

 

私を見て、

苦々しそうな顔で視線を外しました。

 

きっと他の子に、

 

「平均台で脱臼とかバカって、

自分も脱臼してんじゃん」

 

と、からかわれたのでしょう。

 

あの頃はとにかく色んな体験をしたので、

思春期特有のことなんでしょうか・・・

 

(終)

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