背後から押されたり引っ張られたり
幼稚園(5歳くらい)の頃の話。
休日に母と一緒に電車に乗った時、
ドアの前で窓から外を眺めるのが
好きだった私は、
窓のそばに立っていた。
すると突然、
背後から突き飛ばされるように
ドアに押し付けられ、
押し付けられたままの状態で、
痛くて怖くて泣いた。
隣に立っていた母が、
窓に押し付けられたままの私を
自分の方に向かせようと引っ張るが、
私はドアに押し付けられたままで動けず、
母は私が癇癪を起こしたと思って怒った。
※癇癪(かんしゃく)
ちょっとした事にも怒りやすい性質。その発作。
終点の大宮駅で、
押し付けられていた側のドアが開き、
ホームに突き飛ばされた感じで倒れ、
手のひらとひざを強打した。
駅長室で駅員さんに消毒してもらった。
何度も説明したが、
やはり母にも駅員さんにも信じてもらえず・・・
母と手を繋いで買い物のために
街に出て歩いていたが、
ずっとTシャツの首の後ろのあたりを
引っ張られていた。
時々ちからを込めて引っ張られ、
首吊りの状態になった。
尻もちをついたりしていて、
母に「ちゃんと歩け!」とまた怒られた。
ショーウィンドウに映った私の背中には、
おじさんのような手がくっ付いていた。
振り払おうとしても、
その手に触れなくてダメだった。
さっきからずっと私が変な動きをして
ふざけていると母は思ったらしく、
買い物のあとのデパートでの
お子様ランチの約束は取り消された・・・
(終)