アーティストのポスターに憑いた霊

ロウソク 除霊

 

中学の修学旅行の時のこと。

 

東京タワーのお土産屋さんで、

ある有名アーティストのポスターを買った。

 

今でも部屋に飾ってあり、

とても大切にしている。

 

それと同じポスター(以下①)と、

 

違うアーティストのポスター(以下②)

を買った友人の霊体験の話。

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除霊は決して安全ではないということ・・・

友人はオカルトが好きで、

 

地元の心霊スポットを総ナメしたと

いつも自慢していた。

 

元々少しだけ霊感があり、

 

夜に家の玄関の前でティッシュに

火を点けて遊んでいたところ、

 

その火と友人の少しの霊感に、

霊が寄って来たそうだ。

 

(以下、友人をA。その友人の友人をB。

Bは除霊が出来るほどの能力有り)

 

Bに除霊をしてもらったが、

 

Bが突然もう疲れたと言って、

Aに全ての能力を与えたのだという。

 

それ以降、

 

「お盆には死んだヤクザの親父が

帰って来てるからダメ」

 

と遊びを断られたりする事が多くなった。

 

その与えた能力のレベルが高いようで、

 

人を見ると守護霊やら何やらが

見えるそうなのだ。

 

物を見ても、

何か見える時があるという。

 

押入れだったり窓ガラスだったり。

 

ある夜にAの部屋で

私と二人でPSPをしていたら、

 

いきなり「ゲームの電源落とせ!」

と言ってきた。

 

ゲーム画面を見ながら

私は反論しようとすると、

 

A「こっち見んな!

 

電源落としてなるべくこっち見ないで立て。

外に行くぞ!」

 

と言う。

 

何回かこういうことがあったので、

ここは素直に聞き入れた。

 

外に出て振り返ると、

Aは誰かに電話をしているようだった。

 

その電話をしている顔と声には

とても怯えている感じがあり、

 

(普段は滅多に怯えることなんてない)

 

何かとんでもないことが起きたのかと思って、

Aの様子を見ていた。

 

5分程するとBがやって来て、

Aの部屋に入って行った。

 

(電話の相手はBだったらしい)

 

AとBのどちらも、

 

壁に並んで貼られている

①と②のポスターを凝視していた。

 

私はそこまで霊感は強くないが

気配は感じるようで、

 

部屋がとても寒く感じたのを覚えている。

 

A「・・・見えるか?」

 

B「うん、また見えるようになってる。

おまえに全部あげたのに」

 

A「これはまずいよな?特に②」

 

B「まずい。

燃やすとかの話じゃまず済まないな」

 

A「①はどう?」

 

B「そっちは違う。

悪い霊じゃない。えっ・・・」

 

A「えっ、て?」

 

B「・・・ポスター本人が見える」

 

A「ハァ?」

 

B「よっぽどおまえ大事にしてたんだな。

①のおかげで②が抑えられてるようなもんだぞ」

 

と、ここで何も見えなくて

ただ寒い私が状況説明を請うと、

 

B「②にポスターが見えなくなるほど憑いてる。

数も数だけど、タチが悪いのしかいない」

 

・・・と。

 

霊が見えないのが歯痒かった。

 

そこで、一時凌ぎということで、

Bは私たち三人の血と涎と墨を混ぜて、

 

筆でなにやらノートの切れ端に

御札らしきものを書き、

 

ポスターを丸めてその上から御札で巻いた。

 

B「3日以内に除霊するぞ!」

 

そう言うと、

Bはポスターを持って帰った。

 

そして次の日、

Aと私が呼び出されてBの家へ行った。

 

Bの家に着くと、

 

和室には暗幕が張られて

ポスターが壁に吊るされており、

 

テレビでよく見るロウソクやらもあって、

私の心はワクワクしていた。

 

家の人は誰も居なく、

遅れてBのお婆ちゃんだと言う人が来た。

 

お婆ちゃんも地元では

そこそこ名の売れた霊能者らしく、

 

(転校生の私は良く知らなかった)

 

今回の除霊をBに任せられたそうだ。

 

私とAとBの三人は、

 

決して目を開けずに正座をしていろと、

お婆ちゃんに言われた。

 

間もなくして除霊が始まった。

 

そして開始後すぐ、

 

御札を書くために血を採った傷口が、

焼け付くように痛くなってきた。

 

頭も割れるように痛かった。

 

すると、突然Bが発狂し、

ドサッという大きな音がした。

 

えっ?!と思い、

目を開けようとすると、

 

「開けるな!!」

 

と、Bのお婆ちゃんが叫んだ。

 

と言うより、

頭に直接入ってきた気がした。

 

その後はよく覚えていない。

 

気がついたら除霊は終わっていた。

 

すぐに救急車が呼ばれてBは運ばれたが、

Aの家でBが亡くなった事を知らされた。

 

私とAの二人だけが許可され、

身内のみのBの葬式に参列した。

 

Bの葬式は異常だった。

 

なにがどうか記憶が曖昧なので書けないが、

とても異様な光景だったことは覚えている。

 

・・・その後、

 

②のポスターは近くの神社か寺に

納められたとAから聞いた。

 

あの時、なぜBは発狂したのだろう、

と思いAに訊いてみると、

 

Bは目を開けたんだと思う・・・

と言っていた。

 

私はお婆ちゃんが唱えるお経しか

聞こえなかったが、

 

Aには頭の中に延々と、

高い声や低い声で話し掛けられていたそうな。

 

もしあの時に目を開けていたら

どうなっていたんだろう・・・

 

私の人生の中で初めて起きた、

洒落にならない事件でした。

 

そしてB、

安らかにお眠りください。

 

(終)

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