いきなり求婚してきたバイト先の独身男
これは、いきなり求婚してきたバイト先の独身男の話。
その男の歳は、私より一回り年上。
ある日に気が付いたら、その独身男の実家に私は連れ込まれていた。
しかし、私には連れ込まれた記憶が全く無かった。
今でもアクセサリーは付けられない
独身男が仕事へ行っている間は、男の母親が私を監視する。
母親も息子に怯えていた。
私が「帰らせて!」と言うと、布団にグルグル巻きにされたり、息子に告げ口をされた。
夜に襲われそうになった時、苦肉の策で「初めてはクリスマスがいい」と言うと、独身男はあっさり了承して下着を大量に買い始めた。
「息子と結婚しろ!」、「俺と一生一緒にいろ!」と、ケーキを私に食べさせて執拗に繰り返す親子。
お腹一杯と言っても、どんどん食べさせてきた。
独身男には父親はいなかった。
私は携帯も財布も取られていた。
私は帰るために親子を油断させようと思って、料理を作ったりニコニコしたりした。
二人とも喜んで、今度はアクセサリーや服を大量に買ってきた。
それを私に着させて、ずっと眺めていた。
まるで私は着せかえ人形みたいだった。
そんなある日、独身男が仕事に出かけてすぐ、母親の肩を揉むフリをして手首を縛った。
そして急いで私の親に電話をした。
独身男の母親は、叫びながら私に体当たりをしてきたりした。
私はその家を飛び出して、近くの酒屋さんに逃げ込んだ。
そこでしばらく隠してもらった。
親が迎えに来てくれた時、私は焼酎のビンを抱えて震えていたらしい。
その後、独身男とその母親は逮捕された。
もう何年も前の話だが、本当に怖かった。
この出来事のせいで、今でもアクセサリーは付けられない。
(終)