死んだはずの幼馴染に会った

駅ホーム

 

3日前の事、会社からの帰宅中に同じ年の幼馴染に会った。

 

10年ほど会っていなかったが、元気そうだった。

 

その時、俺は駅のホームで電車を待っていた。

 

すると、「あの・・・もしかして●●君ですか?」と声をかけられた。

 

彼曰く、それまでにも何度か俺の顔を見かけていて、今まで気になっていたらしい。

 

その場で少し話が盛り上がったが、そのまま連絡先も聞かずにホームでバイバイした。

 

だが、家に帰って来て、ふと気づいた。

 

幼馴染の彼は、高校生の時に病気で亡くなっているはずだ。

 

俺は確かに彼の葬式にも顔を出した。

 

何かの記憶間違いか?と思い、実家に電話して親に聞いてみたが、やはり彼は高校生の時に亡くなっている。

 

どうして彼は今のタイミングで俺の前に現れたのだろうか?

 

しかも、亡くなった当時の高校生ではなく社会人らしい姿だった。

 

「最近どうしてるの?」、「実家に帰ってる?」、「この前誰々に会ってさ~」みたいな、くだらない会話しかしなかったが、間違いなく亡くなった本人だった。

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あとがき

幼馴染の彼は双子ではなかった。

 

冷静に考えれば、『昔に会ったことのある似ている親戚』という可能性もある。

 

しかし、該当するような人物に心当たりは無い。

 

『死人に会った』というわりには、異様にリアリティがありすぎるのだ。

 

彼は「何度か見かけて」と言っていたから、また声をかけられる可能性もある。

 

その時に、「なんだ、そういうことだったのか!」となるかもしれない。

 

でも・・・、『死が近い人は親しかった人や亡くなった親類が挨拶に来る』と聞いたこともある。

 

まさか俺自身の死期が近いのか?

 

そう考えると怖い。

 

(終)

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