予知夢が見れた幼馴染の最期 1/2

火事

 

オレがガキの頃、

近所にAという幼馴染がいた。

 

学年も同じで、

毎朝一緒に学校へ行った。

 

Aは何故か未来のことをよく知っていて、

 

その頃に夢中だった

漫画とかアニメとかについて、

 

来週どうなるかを教えてくれた。

 

なんで知っているのか気になって、

一体どこから聞いてきたんだと聞くと、

 

Aは「夢で見た」と言っていた。

 

おそらく予知夢みたいなもの

だったんだろうけど、

 

その頃のオレはアホだったので、

 

「いいなー。

オレも夢で見たいなー」

 

としか思っていなかった。

 

お互いに五年生になった時、

Aは死んだ。

 

トラックにひき逃げされて、

即死だったらしい。

 

Aの葬式は身内だけで行われ、

遺体を前に最後の挨拶も出来なかった。

 

オレはしばらくAが居なくなったことを

自覚できなかったけど、

 

Aの妹が寂しそうにしているのを見て、

少しずつAの死を認識していった。

 

そして十数年が過ぎた最近の話。

 

先月、田舎に帰省した。

 

Aの家の前を歩いていたら、

Aのおばさん(母)に会った。

 

「おひさしぶりです!」

 

「あら、○○(オレ)君。

すっかり大人になったねえ」

 

なんて軽く立ち話をして、

Aに線香でもとA宅にお邪魔した。

 

Aに線香をあげてから、

またおばさんと世間話。

 

ふと、廊下からパタパタと、

歩く音が聞こえてきた。

 

「○○にいちゃん!」

 

Aの妹だった。

 

Aが亡くなってから、

 

オレはAの妹が寂しそうにしているのが

見ていられなくなって、

 

毎朝Aの妹と色んな話をしながら

学校に行っていた。

 

そのうち、

 

自然とオレのことをお兄ちゃんと

呼ぶようになっていた。

 

そのままAの妹と二人で世間話。

 

「彼氏は出来たか?」とか、

「大学はどうだ?」とか、

 

まぁ色々と。

 

そのうちAの話題になって、

ふと聞いてみた。

 

「ひき逃げ犯は捕まった?」

 

「あ、うん、大丈夫・・・」

 

何か触れちゃいけないことに

触れてしまったらしい。

 

それ以上は聞かなかった。

 

家に帰って夕食の時、

おふくろに聞いてみた。

 

「Aってトラックにひき逃げ

されたんだよね?」

 

「あぁ、A君?

そう言ってたんだっけ・・・」

 

「そう言ってたってどういう意味?」

 

「確か・・・詳しく知らないけど、

変死とかなんとか」

 

「変死?脳卒中とか?」

 

「よく知らないけど、

 

子供達にショックを与えないためとか、

車に気をつけさせるようにとかで、

 

トラックにひかれたって話に

なったんじゃなかったかなあ」

 

「んじゃ、ひき逃げじゃないのか」

 

「うん、そうだけど、

詳しいことは知らないねえ」

 

謎が深まってしまった。

 

その夜にAのことが気になって、

 

卒業アルバムや文集を引っ張り出して、

片っ端から読んでみた。

 

Aの文章は至って普通だったが、

 

「同じクラスの人を書いてみよう」

 

という特集ページに、

Aのことを書いている文章があった。

 

「A君は未来を知っていてすごい、

火事とかも知っていてすごい」

 

みたいなアホな文章だったが、

それで思い出した。

 

オレはAとの通学途中、

毎朝のように未来の話を聞いていた。

 

オレの動機は至って自己満足で、

 

好きな漫画やアニメの来週の話が

知りたくて知りたくてどうしようもなくて、

 

アホみたいに毎日教えて君していたが、

たまに全く関係ない話をすることがあった。

 

ある朝、Aが家から出てくると、

腕に包帯をしていた。

 

きっと、オレはアホな語り口で

話しかけた(と思う)

 

「どうしたそれ?」

 

「昨日の夜に火事があって、

やけどした」

 

「え、火事?どこ?痛くない?」

 

「学校へ行く道の途中に、

茶色い犬いるじゃん?

 

あそこんち」

 

「マジで?見に行くぞ!」

 

「おう!」

 

二人でその家に駆けて行ったんだけど、

家は火事にはなっていなかった。

 

茶色い雑種の中型犬が、

 

いつもと変わらずオレ達に向かって

吠えるだけだった。

 

「何だよー、嘘かよー」

 

「いや、嘘じゃないもん。

ホントに見たし」

 

その何日か後、

その家は全焼した。

 

ちなみにその火事では、

誰も死んでいなかったと思う。

 

怪我がなくて何より、

みたいな話を聞いたし。

 

あとから新しい家が建って、

あの犬も戻ってきていたと思う。

 

その件でオレとAは、

 

『Aが夢で未来を見ている』

 

という結論に達した。

 

その頃、

 

『1999年7月には

ノストラダムスの大王が~』

 

みたいな、

 

世界の終わりがやって来るぞ!

的な話が流行っていて、

 

オレはAに、

 

「1999年7月に、

地球がどうなってるか見てきて」

 

と言った。

 

何日かしてAはオレに言った。

 

「なんにもなってなかった」

 

「何だよ、つまんねー」

 

「でもすごいゲーム機とか見たぞ」

 

「え、マジ?教えてよ!」

 

ということで、

 

やはり予知夢を自己満足にしか使えなかった、

アホなオレ達だった。

 

Aはその後、

どんどん未来のことを、と言うか、

 

未来のゲーム機について

教えてくれるようになった。

 

今で言う、Wiiとか任天堂DS

みたいな話も聞いた。

 

最後の方は、

 

「でかいテレビから、

恐竜とか飛行機が飛び出してきた」

 

みたいなことを言ってたから、

3Dのゲームなのかな。

 

今よりももっと先の未来を

見ていたのかも知れない。

 

それから程なくして、

Aは亡くなった。

 

(続く)予知夢が見れた幼馴染の最期 2/2

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