坊さんの幽霊ってヤバイらしいよ
先日、家のリビングで友達から借りた『本当にあった呪いのビデオ』を見ていた。
すると、母も何それ?という感じで一緒に見始めたのだが、胡散臭いとか言いながらも結局は最後まで見ていた。
そして見終わった後に母が突然、「そういえば、坊さんの幽霊ってヤバイらしいよ」と言い出した。
聞いた話を全部書くと長くなるので、要約すると以下の通り。
坊さんの霊は力が強い
母の祖母は霊感があったらしく、いわゆる”見える人”だった。
母が子供の頃、遊んでいて帰りが遅くなると祖母に、「あんまり遅くまで遊んでると坊さんの幽霊にあの世に連れてかれるよ」と脅かされていた。
そんなある日、「坊さんの幽霊って何?ホントにいるの?」と聞いてみたら、祖母が厳しい顔でこう言った。
「坊さんの幽霊はそんなにいない。大抵死んでも成仏するか、徳の高い神様みたいなもんになる。でも、中には理由はわからんけど化けて出る奴もいる。そういう奴は危ない。生前修行してたせいなのかわからんけども、とても力が強い」と。
そして祖母は悲しそうな顔でポツリと、「あたしには妹がいたんだけどね、子供の頃に連れて行かれた」と言ったそうな。
俺が「うわ、マジで?」と聞くと、母はこう言った。
「本当かどうかは知らないよ。その時まだ子供だったけど、それでもそれ以上聞ける雰囲気じゃなかったし」。
「それでもやっぱり気になってて、おばあちゃんが亡くなった後に母さんに聞いたら、おばあちゃんには妹がいて、幼い頃に亡くなったのは本当らしいよ。ただ、病気で亡くなったって話らしいけどね」。
「母さんもよく坊さんの話は聞かされてたって言ってたけど、妹が連れて行かれたってのは聞いたことなかったって驚いてたなぁ」。
結局、母はこれ以上のことは知らないらしいし、母の祖母は勿論、母の母も2年前に他界しているのでこれ以上は調べようがない。
でも、そういった話とは無縁な一家だと勝手に思っていたので、なんだか感慨深かった。
(終)