自分でも「もうダメかな・・・」と覚悟した時

点滴

 

今年の夏のこと、難病にかかってしまい3ヵ月ほど入院していました。

 

入院する数ヵ月前から凄く具合が悪くて、ほとんど食事も摂れない状態でした。

 

そして色々な検査の結果、とある難病だと診断されました。

 

さらには、もう二度と治らないと宣告され、酷く絶望的な気持ちになりました。

 

身体は勿論だけれど、精神的にかなりきつくて・・・。

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その子はまだ寿命じゃない

治療の副作用で3日3晩、40度を超える高熱を3回出しました。

 

自分でも「もうダメかな・・・」と覚悟した時、祖母が迎えに来てくれました。

 

祖母は、「可哀想に・・・こんなに苦しい思いをして。ばあちゃんと一緒に行こう」と言うと、私を抱きかかえてどこかに行きました。

 

その後、私は意識を失っていたそうなのですが、私の中では高い窓のような所から座敷と思われる場所に行った風景を見ていました。

 

そこは古い座敷で、30人程の老人たちが会議をしているようでした。

 

一番末席に私を抱いた祖母が座っていて、「可哀想だ」と大泣きして上座の人に訴えていました。

 

祖母の隣には、腕を組んで目を閉じ、じっと下を向いた祖父が座っていました。

 

他の人はよく分かりませんでしたが、上座にいくほど時代がかっていて、服装から髪型まで古めかしく見えました。

 

祖母は私をここに連れて来たいと皆に訴えましたが、皆はただ渋い顔をして俯(うつむ)くばかりでした。

 

しばらくすると一番上座にいる人から(その人の顔は光の塊になっていて見えない)「その子はまだ寿命じゃない!勝手なことをするな!」という声が聞こえました。

 

その途端、病院のベッドの上に戻っていました。

 

それまでの私は鬱を患っていたこともあり、生きることに何の執着もなかったのですが、私にもあんな風に会議を開いてくれるご先祖様がいるんだなぁと思うと、なんだかとても感動しました。

 

この体験をしてから、私は生死についての考え方が変わりました。

 

その後、医師も驚くような回復をして、半年程かかると言われた入院も3ヶ月で済み、鬱まで治ってしまったようです。

 

熱に冒されて夢を見ただけかもしれませんが、少し怖いような不思議な体験でした。

 

(終)

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