私の母親だと名乗る人物が・・・

受話器

 

これは、私が高校生だった頃の怖かった体験話。

 

ある日、私の母親だと名乗る人物が学校に電話をかけてきた。

 

電話の内容は、素行や成績、進路関係などで、「山田花子の母親です」というような感じで名乗り、担任の先生を名指ししたらしい。

 

しかし電話を受けた担任は、“本物の母親ではない”と直感したそうだ。

 

その場を誤魔化し電話を切った後、私を呼び出して「そういう電話をしたかどうか母親に確認して欲しい」と言った。

 

言われたその場で確認したが、本当に母親ではなかった。

 

両親は離婚も再婚もしていないし、間違いなく私の親。

 

生き別れた姉がいるとか、当然そんな話もない。

 

親戚だったとしても、担任を名指し出来ないし、そもそも私がどこの高校に行ったのかさえ知らない。

 

担任の話によると、少なくとも若い女性の声ではなかったそうで、電話がかかってきたのは授業中だったとのこと。

 

口調も、「もしかしたら本当に母親だったのかもしれない」と思う程に違和感がなかったと言う。

 

結局、悪質すぎる学生のイタズラということで犯人探しが始まったが、見つからずに卒業した。

 

それから数年経った今でも、真相は分からないままになっている。

 

電話をかけてきたのは誰だったのか?というのも怖かったが、瞬時に”私の母親ではない”と見破った担任の方が怖かった。

 

担任は「教師の感を馬鹿にするな」と笑っていたが、私の母親と会ったこともないはずなのに分かるものなんだろうか・・・

 

(終)

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