同じ男と一日に何度もすれ違う

登山道

 

これは、山で体験した奇妙な話。

 

その日、すれ違う他の登山者と挨拶を交わしながら稜線を歩いていた。

 

印象に残る登山者もいれば、そうでない登山者もいる。

 

その中に、帽子にシャツ、ズボンからザックに至るまで、”黒一色の出で立ちの男”がいた。

 

それはかなり珍しい風体だった。

 

その黒ずくめの男と、その日は何度もすれ違った。

 

登山会や山岳会ではユニフォームのようにそうした格好をするところもある。

 

だが、顔形から声まで揃える山岳会などあるだろうか。

 

すれ違った後で私を追い越し、再びすれ違うことを繰り返すのでない限り、一本しかない稜線で同じ人と一日に何度もすれ違うことなどありえない。

 

富士の樹海で同じような経験をした、という話を読んだことがある。

 

『同じ人と何度もすれ違う』

 

この奇妙な現象は一体何なのか?

 

それが2回くらいなら「変だなぁ」で済むかもしれないが、3回目くらいからは怖くなってくる。

 

「もうすれ違いませんように・・・」

 

そう思っているところに、また向こうから同じ人がやって来る。

 

やっぱり山は怖い。

 

(終)

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