今日から新しい家族だから仲良くしてね
これは、友達のユカリから聞いた話。※名前は仮名
ユカリが小3の秋の頃に、お父さんがババさんという40歳くらいの東南アジア人を連れて来て、「今日から新しい家族だから仲良くしてね」と言われた。
ただ、お母さんとお姉さんはもうかなり前からババさんを知っているようで、親しそうに接していた。
ユカリはこの突然の理不尽さに困惑し、逆上して反対したが、全く取り合ってくれなかった。
ユカリが言うには、ババさんは非常に大人しく、いつも落ち着いていて、なんだか宇宙人みたいな人だったそうで。
絶対にババさんとは喋らないと決めたユカリだったが、ババさんは相手と話す時、必ず相手を座らせて右手で頭を鷲掴みして喋っていたせいか、いつも正直に喋らされていた。
家に来てから1週間後、ババさんがユカリに「君を取り込むのはもう疲れたよ」と弱音を吐いた。
そして、「自分はもう他の家に行きたいから取り込みやすい家を紹介してくれ」とユカリに頼んだ。
嫌だと言うと、「お母さんに君の弟を作ってもらおうかな」とか、「お姉さんも、もう赤ちゃんを産めるって知ってた?」などと脅された。
仕方なく思ったユカリはババさんを外へ連れて出し、僕が住んでいる向かいの家を指差したら、「あの家は最悪だ」と言って拒否されたそうで・・・。
結局、全然知らない家に入って行ってから1年後、その家は焼失してしまったと聞いた。
何もかもが不可解な話だった。
(終)
東南アジアの人に対する偏見が酷いな