授業中に起きた奇妙な出来事
これは最近、高校で奇妙な体験をした話。
うちのクラスでは、英語の授業中は先生がおっとりした人だからか、大抵騒がしく、その日もそこそこうるさかった。
ただ俺は、友達も話す相手もいないので、そういった時は周りの会話を盗み聞きしている。
その時もそうだった。
そして、ちょうど目の前の4人が騒いでいる時に、奇妙な出来事が起きた。
その4人はそれまでずっと喋っていたのを急に止め、顔を見合わせていた。
何の前触れもなく。
何だ?何だ?と勝手に思っていたところ、「今の○○?」、「違う違う、△△?」、「アタシじゃないよ」などと聞き合っており、しまいには「今の●●君?」と普段話しかけない俺にも聞いてきた。
違うよと返したが、興味があったので何があったのか聞いてみた。
すると、「なんだかね、怒った声で聞こえたの、『どけ』って」と、一人が言った。
この時点でも十分に不気味なのだが、その後に「へ?アタシは『××××(ここは聞き取れなかったらしい)を返せ』って聞こえたよ」とか、「俺は『私の席だ』って」とか、証言がバラバラだ。
恐怖のような変な感情に包まれていたらチャイムが鳴り、授業が終了した。
結局この出来事は、それ以降話題になることはなかったが…。
ただ最近のことなので、これから何か進展があるかもしれない。
もちろん、今の段階では何も手がかりはない。
そもそも、席を返して欲しいなら一人に言えばいいのに、4人に別々のことを言っているのはどうしてなんだろう?とは思った。
(終)