電車で隣に座った女の子

近鉄電車でのお話です。

 

私は、奈良の富雄という所に

住んでいて、大阪から帰るときは

近鉄電車を利用します。

 

大学生の頃、

神戸の方まで通っていました。

 

夜、21:30くらいに、

近鉄の大阪側の始発駅である

難波から電車に乗りました。

 

富雄駅の手前から、

生駒、東生駒、富雄と

電車は止まります。

 

生駒を過ぎ、東生駒から

女の子を連れた女の人が乗ってきました。

 

女の人は緑色の三角布を

首の下で結んでいて、

何重にもスカートを履いていて、

床まである長さのものを着ていました。

 

何だか昔風で、

最近の人じゃないみたいな感じでした。

 

女の子は、首の上まで刈り上げたオカッパで、

頭のてっぺんで噴水みたいに

髪を赤いリボンで結んでいました。

 

服装は覚えていませんが、

女の子も昔風な感じがしました。

 

そのときの車両は、

ちょうど全ての座席に人が座っていて、

不思議なことにみんな女の人でした。

 

私は、車両の中の一番端っこに

座っていました。

 

その席は三人掛けで、

席の端に私が座り、真ん中を空けて

逆の端に若い女の人が座っていました。

 

その車両で空いている席は、

そこしかありませんでした。

 

東生駒から乗ってきた

女の子を連れた女の人は、

 

女の子を私の隣に座らせて

別の席の方に行き、

その前で吊革を持って立っていました。

 

どうして女の子の近くにいないんだろう、

と思ったことを覚えています。

 

やがて、女の子は眠り始めました。

 

眠り出すと、こっちの方に

コックリコックリと寄りかかってきました。

 

それがイヤだったので、

意地悪かったのですが軽く押し返しました。

 

すると女の子は、逆の端の

若い女の人の方に、

寄りかかり始めたようでした。

 

女の子は、その女の人にも

押し返されたようで。

 

今度は寄りかかれない真ん中で、

ゆらゆらと揺れながら

「ママ、ママ・・・」と言い始めました。

 

何度も「ママ、ママ・・・」と言うので、

その時、どうして女の子の近くに

来ないんだろう、

と思ったことを覚えています。

 

何度、「ママ、ママ・・・」

というのを聞いたでしょうか。

 

突然、「やっぱりそうなるとおもってたんや」

と低い男のダミ声が、すぐ耳元でしたのです。

 

「えっ!」と驚いて、女の子の方を見ると、

ニヤッと私の方をじっと見ていました。

 

ゾーッとして気が付くと、

降りる富雄駅だったのです。

 

飛び降りてからも、

ゾーッとした感覚は残っていて、

電車の中を見ることができませんでした。

 

あのダミ声は強烈でした。

言葉の意味よりもむしろ・・・

 

(終)

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