擦り寄ってきた太った白い猫

 

ふと思い出した体験話。

 

私は動物に好かれない

体質みたいで、

 

野良猫や飼い犬が私を見ると、

大体逃げるか吠えてくる。

 

そんな私だったけど、

 

一度だけ猫が擦り寄って

きたことがある。

 

今と同じ春先で、

もう随分も昔の話です。

 

家の近くに公園があって、

 

買い物に出かける時は、

その公園を抜ける必要があった。

 

公園の中には迷路みたいな

遊び場があって、

 

とても小さい迷路なんだけど、

その道を通らないといけない。

 

私はいつものように

その迷路を通っていたら、

 

猫の鳴き声がする。

 

フー、フー、

と息が漏れるような声。

 

にゃー、ではなかったけれど、

なんとなく猫の声な気がした。

 

そして不思議な事に、

私に警戒しておらず、

 

どうも近づいて来ている

ような印象を受けた。

 

猫が慕ってくれるような経験は

初めてだったので、

 

鳴き声を頼りに

辺りを探してみた。

 

見つけた。

 

白い太った猫だった。

 

が、顔は無い・・・。

 

顔の部分はぺちゃんこで、

黒い肉の板みたいな感じ。

 

耳はちゃんと付いていた。

 

体に怪我は無かった。

 

ただ顔だけがぺちゃんこだった。

 

ぱっと見てすぐに、

車に顔だけ轢かれたんだと思った。

 

どこから声を出しているのか

分からないが、

 

フー、フー、

という声を出しながら、

 

私の方へとゆったりゆったり

歩いてきた。

 

まるで、助けてくれと

猫に言われているようで、

 

でもその姿がとても怖く、

 

獣医に見せても

到底助からないような気がして、

 

ごめんなさいと繰り返しながら

走って逃げた。

 

それ日以来、

あの白猫は見ていない。

 

今でも、あの猫の姿を

思い出すことが時々ある。

 

(終)

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