しんちゃん、前!

僕の名前は高橋進次。

 

「しんちゃん」って呼ばれてる。

 

最近、弟がウザイ。

 

自分でやったことを

僕のせいにして、

 

それをママに言いつける。

 

そして僕が怒られて、

あっかんべーってされるんだ。

 

ある日、

 

家族みんなで川に行ったら、

弟の姿が見えない。

 

向こうで溺れていたので

放っておいた。

 

10分後、弟は死んだ。

 

僕は、

 

「助けたかったけど、

泳げなかった」

 

と言った。

 

泳げないのは本当だから

というのと、

 

川の向こうにいたから、

 

助けようと思っても

無理だったと思う。

 

そして、

葬式が行われた。

 

僕は目を開けたまま寝た。

 

葬式なんかやってられるか。

 

しかし、その翌日から、

弟の声が聞こえ始める。

 

「しんちゃん、前!」

 

・・・と。

 

疲れてるのかな・・・。

 

日に日に大きくなっていく声に、

思わず「うるさい!」と言った。

 

すると、

 

すぐ目の前を

バイクが通っていった。

 

弟は僕を見守って

くれていたのか・・・。

 

僕は泣いた。

 

そして、

 

弟を助ければよかったと

反省した。

 

だけど、

気づいてしまったんだよなあ。

 

弟が何を言いたかったのかを。

 

(終)

解説

「しんちゃん、前!」

「進次、前!」

「死んじまえ!」

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