同窓会に姿を見せたクラスメイト

 

その日、

僕は同窓会に行きました。

 

みんなのムードメーカーのA、

 

頭が良くて解らない問題を

教えてくれたB、

 

クラスのマドンナで

みんなに憧れられていたC。

 

僕は、またこの愉快なメンバーと

騒げることに幸せを感じました。

 

ワイワイガヤガヤと

思い出を語っているうちに、

 

最期の修学旅行の話になりました。

 

「飛行機の中、凄かったよな?

だってファーストクラスだぜ」

 

そんな事を話していると、

突然に空気が変わりました。

 

なんだと思って見てみると、

木曽が・・・

 

木曽?

 

木曽がなぜここに?

 

さっきまで馬鹿騒ぎしていた

AもBもCも、

 

クラスの他の皆も、

そして僕も怯えました。

 

木曽は一人ひとりの席の前に行き、

水をかけて回っています。

 

木曽が僕の前に来た時、

思わず叫んでしまいました。

 

「お前はあの時いなかった!

お前はこの世にいないはずだ!」

 

・・・と。

 

今日は同級生の命日だった。

 

今でも信じられない。

 

あんなに楽しみにしていた

修学旅行だったが、

 

俺は体調を崩して40度以上の

熱を出してしまった。

 

それでも行こうとしたが、

 

親や医者に止められて、

泣く泣く不参加となった。

 

その日の夜に、

そのニュースを聞いた。

 

同級生の乗った飛行機が墜落して、

乗員乗客全員が亡くなった。

 

俺を残して全員が旅立ってしまった。

 

懐かしい日々の思い出が蘇る。

 

みんなのムードメーカーのA、

 

頭が良くて解らない問題を

教えてくれたB、

 

クラスのマドンナで

みんなに憧れられていたC。

 

俺は彼らの墓に順番に花を添えて、

墓石に水をかけて清めた。

 

そして線香に火を点け、

手を合わせた。

 

(終)

解説

最初の『僕』の語りは霊。

 

一緒に死んだクラスメイトの霊仲間と、

ワイワイガヤガヤ同窓会を楽しんでいる。

 

「この世にいないはずだ!」

 

と叫ぶ僕には死んだ自覚がないので、

未だ成仏していない。

 

途中からの『俺』の語りは木曽。

 

飛行機が落ちてみんな死んだ。

 

木曽だけが修学旅行に参加しなかったので、

今もなお生きている。

 

みんなの命日の日にお墓参りに来ており、

お墓に水をかけて回っている。

 

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2 Responses to “同窓会に姿を見せたクラスメイト”

  1. はち より:

    文中に、一人称が「私」の謎の人物が登場している。

    また、木曽くんは、A、B、Cしか覚えておらず、「僕」を忘れている

    • ほんとですね^^;

      文中の「私」は間違いで、
      正しくは「僕」なので訂正しておきます。

      最後の木曽くんに忘れられた僕・・・

      これはきっと「彼ら(クラスの他の皆)」
      に含まれているのでしょう。

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