妻にナイフで刺された男の最期

殺人現場

 

後ろからナイフで刺された。

 

よりによって、

自分の妻に刺されるなんて。

 

この出血量・・・

俺は確実に死ぬかな。

 

よし。

 

自分の血でダイイングメッセージを

残しておこう。

 

いや、犯人の名前を書くよりも、

もっと重要なことがあるのでは・・・

 

例えばさ、

俺が死んだ後の財産とかさ・・・

 

俺の財産を、

妻にだけは渡したくない。

 

俺を殺した女に、

金まで取られてたまるか。

 

よし。

 

こうなったら愛人の神戸響子さんに、

遺産が全ていくように書き残そう。

 

ちゃんとした遺言状を書く時間は、

俺には残されていなさそうだ。

 

このフローリングの床にでも、

俺の血で遺産のことを書いておこう。

 

(血文字で「神戸響子」と書く)

 

・・・あれ、

意識が遠ざかってきた。

 

指先に力が入らない。

 

限界だ・・・

 

(終)

解説

血で書かれていた文字は、

『神戸響子』という4字だけ。

 

誰がどう見ても、

 

遺言ではなくダイイングメッセージだと

思ってしまう。

 

警察はおそらく愛人の神戸響子を、

逮捕してしまうことだろう。

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