願いを一つだけ叶えてくれるロウソク

ロウソク

 

これは、昔に読んだヨーロッパの昔話。

 

ある田舎の村に、二人の娘がいた。

 

二人の名前を仮に『ミキ』と『サチコ』とする。

 

二人はいとこ同士だったのだが、どちらも幼い頃に両親を亡くしたので、祖母のもとで姉妹同然に育ってきた。

 

その祖母が亡くなる間際、二人に「家のタンスの中に願いを一つだけ叶えてくれるロウソクが二本あるから一人一本ずつ持っていなさい」と言った。

 

なんでも、そのロウソクに火をつけて願い事を言うと、願いに対応した精霊が現れて願いを叶えてくれるらしいが、祖母本人は使わなかったので二人に譲るのだという。

 

祖母亡き後、ミキとサチコはロウソクを大切にしまっておき、二人で自給自足の生活を送っていた。

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その後の二人は・・・

ある日、偶然この国の王子が遠乗りで二人の住む村の近くを通りかかった。

 

畑仕事をしていたミキは、遠目ではあったが王子を見て一目ぼれしてしまう。

 

眠れぬ夜が続いた末、ついにミキはあのロウソクの力を使うことにした。

 

『王子様に愛されたい』という願いに応じて現れたのは、美青年の姿をした愛の精霊だった。

 

彼はミキにバラの種を授け、「大切に育てるように」と言った。

 

バラが順調に育っていれば愛も順調に育まれる、という。

 

そして、「もしこのバラに何かあったら、この国のどこかにいるから自分を探してくれ」と言い残して精霊は去って行った。

 

早速バラを育て始めるミキ。

 

丁寧に世話をしていると、ミキは頻繁に遠乗り中の王子を見かけるようになった。

 

王子も休憩の場を求めて村を訪れ、ミキとサチコの家に立ち寄る事も多くなったことで、ミキと王子が話す機会も増えた。

 

そしてバラが白い花をつけた時、王子はミキにプロポーズする。

 

ミキは晴れて王子と結婚し、数年の後には息子も生まれて幸せの絶頂にあった。

 

もちろんあのバラも城の庭に植え替えられ、大事に世話されていた。

 

さて、面白くないのはサチコの方である。

 

サチコも同じように王子に接触していたにも関わらず、ミキばかり愛されるのに納得いかなかったのだ。

 

ミキの結婚に伴いサチコも王族となって優雅な生活を送れるようになったものの、サチコは気持ちを抑えられずついにロウソクを使った。

 

『ミキの幸せを邪魔したい』と願ったサチコの前には、醜い老婆の姿をした妬みの精霊が現れた。

 

老婆はサチコに一匹の蛇を渡すと、「ミキが大切にしているバラの木の根元に埋めるように」と言って消えた。

 

サチコが密かに蛇をバラの木の根元に埋めると、たちまちバラの木は枯れ始め、どう手を尽くしても生き返りそうになかった。

 

それに伴い、王子は公務が忙しくなってミキとの会話が激減する。

 

そこに付け込んだサチコは、王子にミキの悪口を吹き込むのだった。

 

バラが完全に枯れたのを見たミキは、愛の精霊の言葉を思い出すと城を脱走し、国中を探し回った。

 

そして、田舎の古い教会で愛の精霊とようやく再会したミキは事情を話す。

 

精霊は唯一の解決法を教えると、ミキを夜のうちに城までワープさせ、また去って行った。

 

城に戻ったミキは大急ぎで王子とサチコに置手紙を残すと、また出て行った。

 

翌朝、手紙を発見した王子とサチコが庭に出てみると、あのバラの木の下で枯れ枝を心臓に突き刺して絶命しているミキを発見する。

 

精霊がミキに教えた唯一の解決法とは、「ミキ自身の心臓の血をバラの木に注ぎかける」というものだったのだ。

 

その日からバラの木は復活したのだが、つける花は白ではなく赤に変わっていた。

 

その後、王子は生涯後妻を迎えず、サチコは自分のした事の大変さに気づいて出家する、という話の結末であった。

 

(終)

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