新車でも「人死に」が起きた車はある
俺は自動車関係の職に就いている。
よく中古車は「事故車だったら怖い」と聞くが、自動車工場内でもロボットに挟まったり、プレス機に潰されたりして死ぬ人は毎年一桁程度だがいる。
なので厳密には、『新車でも人死にが起きた車はある』と思う。
これは2~3年前に聞いた話になるが、俺が勤めている会社とは別の自動車会社での話。
某メーカーの自動車工場で、作業員とその上司がケンカをした。
激しい口論の末、作業員は「死んでやる」と宣言し、そのまま一時行方不明になったらしい。
その後、作業開始の時刻になっても戻って来ない作業員を探したところ、完成した車の車内で硫化水素自殺をしているのを発見したそうだ。
結局、作業員は死亡し、工場も一時封鎖された。
もちろん自殺のあった車は廃棄された、と思われていた。
だがしかし、社内では「内装だけを張り替えて売りに出された」という噂が未だにあり、緘口令(かんこうれい)は敷かれたものの、派遣社員や期間社員を通じて他社に伝聞しているとの事。
(終)
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