東尋坊の近くのビーチから帰った日の夜に

ペロペロキャンディ

 

これは5~6年前に、福井県の三国サンセットビーチに波乗りに出かけた時の話。

 

そう、ここは名所として有名な『東尋坊』の近く。

 

その日は肩から頭くらいのファンウェーブ(自分好みの波)で、気分よく海から上がった。

 

しかし、家に着く頃には4時間近く車を運転したこともあり、体はクタクタに疲れていた。

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三角形に見える人影

普段ならそんなことは絶対にないが、タマゴボーロとペロペロキャンディが無性に食べたくなった。

 

面倒くさいな・・・と思いつつも、嫁とスーパーへ買いに行く。

 

買い物を済ませて家に戻ると、そんなものを食べたいとすら思わなかった。

 

何か変だな・・・と思いつつ、酒を飲んで気がつけば寝ていたようだった。

 

夜中の2時~3時くらいだったと思う。

 

人の視線というか、気配を感じて目が覚めた。

 

しかし、起きようとしたが体が全く動かない。

 

目だけが動かせる状態だった。

 

辺りを見回す。

 

すると、部屋の隅に置いてあるテレビと壁の間に、三角形に見える人影のようなものが立っていた。

 

それが段々と近づいてくる。

 

50センチくらいずつ瞬間移動しながら。

 

いつの間にかそれは、俺が寝ているベットと寝る前にお菓子を置いたベット脇の小さいテーブルの前に立っていた。

 

それは赤い家紋入りの着物に、色褪せた黄色い帯を巻いた4~5歳くらいの女の子だった。

 

視線を上に移すと、カミソリのようなもので無理矢理に削いだ毛先が見えた。

 

当時は美容関係に勤めていたので、本で読んだ大昔のカット技法を瞬時に思い出した。

 

髪は長く、量も多かった。

 

三角形のように見えたのは、そのせいだと思う。

 

窓から差す月明かりが、その女の子の顔を青白く照らしている。

 

子供らしい丸みを帯びた可愛らしい顔をしていたが、目が無い。

 

まるでくり貫かれたように。

 

次の瞬間、 お菓子をせがむように手足をばたつかせ、消えた。

 

不思議と全く恐怖を感じなかった。

 

俺はその後、テーブルの上のタマゴボーロとペロペロキャンディの包装を破り、その女の子に供えた。

 

何百年も前にこの世を去った子がお菓子を欲しがっていたんだな・・・と、今でも切なくなることある。

 

同じような体験をされた方はいないだろうか?

 

(終)

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