死神をモチーフにした張り子を展示したら・・・
俺の住んでいる地、鳥取県境港市には水木しげる記念館なるものがある。
言わずと知れた妖怪作家の記念館である。
ここには全国の物好きから妖怪オブジェなるものが送られてくる。
絵画や張り子など、あらゆるものが送られてくる。
そして、それらは記念館前の商店街に展示されることになっている。
ある日、隣の島根県から個人製作の妖怪オブジェが送られてきた。
それは『死神』をモチーフにした張り子であった。
なかなか出来の良いその死神は、すぐに商店街のわりと目立つ場所に展示されることになった。
数日後、その死神が展示されているお店の家族から死者が出た。
まだ若い元気なおじさんであった。
死者が出た店に死神を置いておくのは不謹慎だということで、死神はすぐに場所を移された。
しかし数日後、また死神が展示されているお店の家族から死者が出た。
本来ならこの時点で死神の展示は中止になるはずであったが、どこかの物好きが「自分のところに置いてもいい」と言ったので、三度展示されることになった。
結局、その物好きの家族からも死者が出た為、その死神の張り子は現在は神社に安置されている。
(終)