案山子にまつわる3つの怪異な体験話

案山子

 

これは、『案山子(カカシ)』にまつわる3つの怪異な体験話。

第1話

これは、知り合いの話。

 

それは大学の研究室のメンバーで山に登った時のこと。

 

廃村を見つけたので、そこで1泊することにした。

 

まともに残っている家屋敷は一つだけで、その前にはかなり広い田んぼがあった。

 

田んぼは荒れ放題で水も入っておらず、案山子が1つだけ、ぽつんと立っていた。

 

翌朝、起き出してきた者は田んぼを見て唖然とした。

 

一晩寝ている間に、田んぼは見渡す限りの案山子で埋め尽くされていた。

 

どれもボロボロで、その数は百を優に超えていたらしい。

 

帰り道では、その廃村を通らなかったそうだ。

 

(終)

第2話

これは、友人の話。

 

それは学生時代、彼が所属していたサークルでのこと。

 

キャンプ地の横に廃棄された田んぼがあり、そこに案山子が1つ残されていた。

 

彼はテントを設営する前から、その案山子に違和感を感じていたらしい。

 

そのうちに、違和感の正体が分かった。

 

何処に行っても、あの案山子は常に顔を彼の方に向けているのだ。

 

案山子が動いているらしいことを先輩に訴えると、こう言われたそうだ。

 

「案山子だって寂しいだろうし、好奇心もあるんだろうさ」

 

急に拍子抜けして、そのまま最終日まで過ごしてしまったのだという。

 

(終)

第3話

これは、知り合いの話。

 

家族で山の高原に遊びに出かけたのだという。

 

ススキの野原で秋の風を楽しんでいる時、妙なものに気がついた。

 

原っぱの向こう側に、案山子が1つだけ立っていた。

 

案山子といっても、全身をくねらせているように動いている。

 

こんな人里離れた場所に電気はないだろうし、動力は一体何だろう?

 

そんなことを考えていたそうだ。

 

彼の子供がいきなり「おーい」と言って、その案山子に向かって手を振った。

 

すると案山子は、ひょいと手を上げて振り返してきた。

 

それを見た途端、彼は子供を抱えて車まで走り戻ったそうだ。

 

(終)

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