霊媒体質なら盆明けに海に入るな
俺は、サーフィンをしている。
これは、ちょうど台風後でいい波が来ていた日に海へ行った時の話。
海に着くと、すでに多くのサーファーがいた。
みんな普段と変わらず波に乗っている。
俺も早々と海に入ったのだが、直後から酷い頭痛が始まった。
浜でしばらく横になったが、結局は治まらず、そのまま帰宅する羽目に…。
ただ帰宅後に痛み止めを飲んでも効かず、だんだんと酷くなり、歩くのも困難な状況に陥った。
その時だった。
職場のオバサンから着信があった。
何だ?と思って電話に出ると、「あんた、海に行ったでしょ。とりあえず今こっちに3人引っ張ったから、あんたはゆっくりしときなさい」とだけ言って電話が切られた。
ただ不思議なことに、その電話から10分ほど経った頃に頭痛は治まり、何事?と思った俺はオバサンに電話をしてみたが、電源をOFFにしているのか連絡が取れず。
後日、職場でオバサンに聞いてみたところ、「あの時は何となくあんたが絡まれてるイメージが浮かんで電話したの。電話を伝って来た3人は帰ってもらったから大丈夫よ」と、まるで普段の会話のようにさらっと言われた。
ついでに、「あんたは霊媒体質だから修行してみたら?」とも。
霊が電話を伝うことにもびっくりしたが、俺自身が霊媒体質ということに一番びっくりした。※霊媒体質(れいばいたいしつ)=霊に取り憑かれやすい体質
なぜなら、霊なんて見えないし、たまに嫌な感じがすることもあるが、いつも気のせいだろうと思っていた。
そしてオバサンから、「二度と盆明けに海に入るんじゃないよ」との有難い忠告を受けた。
(終)