中古で買った家の天井に見つけた染み
現在進行形の話なので、
まだハッキリしたことは書けないんだけど、
ちょっと聞いてくれ。
俺は26歳の会社員で、
家族と同居中。
家族構成は、
両親と6つ下の大学生の弟、
それと8つ下の高校生の妹。
今住んでいる家は、
今年の2月に親父が中古の
一軒家を買ったもの。
俺の部屋は1階の和室。
弟の部屋が俺の部屋の真上にある。
2週間くらい前、
俺の部屋の天井の隅に、
茶色っぽい染みがあるのに気づいた。
最初は、
あんなところに染みがあったのか・・・
程度で気にも留めてなかったんだが、
最近それが少しずつ大きく
なっていることに気づいた。
だけど、
大して気にもせずにいた。
で、数日前に俺の彼女が、
引っ越してから初めて俺の部屋に
遊びに来たわけだ。
この彼女というのが、
いわゆる『見える』子でね。
付き合って1年弱なんだが、
まあ色々と聞いてきた。
オカ板でよく聞くような
見える人の体験談だから、
今は詳しくは書かないけれども、
相手(霊)によっては、
意思の疎通も可能だそうだ。
その彼女が俺の部屋に入るなり、
「え・・・」
って言ったきり、
その染みを凝視して、
しばらく動かなくなった。
俺が話しかけても、
「ちょっと待って!」
と俺を制止して10分くらい、
じーっとその染みを見ていた。
そのうち俺に向き直って、
「ちょっと外に行こう」
と強引に俺を引っ張って外に出た。
「どこでもいいから、
近場のファミレスに行って」
と言う。
なんと言うか、
有無を言わさぬ迫力があって、
俺は黙って車を走らせ、
一番近いファミレスへ向かった。
席に着くなり、
彼女が真剣な顔で、
「あの部屋・・・というか、
あの家すぐに出た方がいい。
天井の染みあったでしょ、
たぶんアナタには染みにしか
見えてないだろうけど、
ぼやーっとした人の形をしたものが
逆さになって、
あそこから上半身だけ出てたの。
あれが何なのかまだよくわからないんだけど、
よくないモノだってことだけはわかった。
ずっと見ていたのは、
全体的にぼやけているのに
目だけがハッキリ見えていて、
その目が私の顔と床の一点を
交互に見つめるから、
何を意味しているのか、
理解しようとしていたの」
と捲くし立てるように言った。
「で・・・理解できたのか?」
と聞くと、
「ううん、よくわからなかった」
と言う。
引っ越したばっかりの、
それも家族で住んでいる家をすぐに出ろ
と言われてもムリな話だと言うと、
「・・・なら、
あの部屋からは出来るだけ早く出て、
お願い!」
と懇願するように言う。
結局、
その日はそのままラブホへ・・・
翌日、
もう一度見てみると言うので、
一緒に部屋へ行った。
彼女は前日と同じように、
しばらく染みのあたりを凝視してから、
「これ・・・
ここにずっと居たんじゃないみたい。
最近どこかからここへ来て・・・
あれ?ちょっと待って・・・」
独り言のように彼女は話していた。
そのうち、
真上の部屋も見せてくれと言い出した。
真上は弟の部屋だ。
弟は部屋で寝ていたが、
叩き起こして部屋を開けさせた。
彼女は部屋の入り口から
隅の床を見るなり、
「やっぱり・・・
逆さになってるからこの部屋には
足だけが上に向いて立ってる」
などと、
不気味この上ないことをさらっと言う。
そして、
弟に向かって怖い顔で、
「○○君、
最近変なところへ行かなかった?
大事なことだから正直に答えて!」
と聞いた。
面食らったような顔をしていた弟は、
そのうち言い難そうに、
「こないだ○○にある心霊スポットに
友達4人と行ったけど・・・
どうして・・・?」
弟がそこへ行ったのは、
2週間前だそうだ。
「あんた、
そこから連れて来ちゃってるの!
連れて来たものがゆっくりと
下の部屋に移動してるの!」
俺もたじろぐような剣幕で、
弟を怒鳴る彼女・・・
(怖かったw)
そのあとはもう、
俺も弟もビビリまくり。
(その変なモノと彼女にw)
「親父に話すか?
けど買ったばっかりだし・・・」
「除霊してもらうか?
○○さん(彼女)除霊できない?」
なんて大騒ぎしていた。
そして今日、
彼女がまた見に来ていて、
恐ろしいことを言い出した・・・
例によって、
しばらく染みを凝視していた彼女が、
突然「あああああああああああ!!」
と声を上げた。
そして、
「この霊、
自分で動いてるんじゃないみたい・・・
引っ張られているらしい。
私の顔と床を交互に見つめるのを
見ているうちに、
そう言っているように感じた。
たぶん・・・ていうか、
間違いなく床下にもう一つ、
もっと力の強いモノがいる。
埋まってる!」
う、埋まってるってアンタ・・・
とりあえず連休明けたらすぐに、
この家の前の持ち主や、
家について調べてみるつもり・・・
と、現在のところここまで。
俺は今、
弟の部屋の隣の部屋にいる。
隣の部屋の片隅に、
足だけが逆さに生えていると
考えるだけでオソロシイ・・・
弟は恐れをなして、
しばらく友達のところに泊まるそうだ。
両親や妹には、
まだ話さずにいようと思う。
(終)
怪談ってのは、個性あるキャラを出そうとする話しは全て駄作になる
霊感のある彼女って設定を入れる時点で大コケが間違いなしなんやが
オカ板の連中は劣化コピーしか出来ないから同じ様なパターンを延々とくり返す
まあオカ板恒例の差別思想が入ってないだけマシやけど