悪寒を感じた深夜の学校警備

これは警備の先輩の話。

 

季節は夏。

 

その先輩は、

体重100kgを少し超える巨漢。

 

やはり相応の汗かきなのは

言うまでもない。

 

深夜、学校に出動。

 

この仕事をしている人の大半は、

深夜の学校は慣れっこ。

 

特に何も考えず正門を開けて

中に入ると、

 

本人曰く、

 

『校庭にクーラーがかかっていた』

 

・・・らしい。

 

その先輩は職場の人間の評価も高く、

上司からも一目置かれている人間。

 

その先輩が指令センターに、

 

『校庭にクーラーかかってるから

入れません』

 

と報告し、

応援を呼んだらしい。

 

普通に考えたら

ふざけた報告なのだが、

 

センターは応援を出した。

 

応援が来るまでの間、

 

先輩は正門から校庭に向けて、

手を入れてみた。

 

肘辺りまでが

校庭の敷地に入った。

 

肘から先は、クーラーが

ガンガンに効いてるくらい寒い。

 

でも敷地から出てる部分は、

夏の真っ只中だと言っていた。

 

これはイヤだなーと思ってるうちに、

応援で二名到着。

 

先ほどやっていた様に、

 

肘から先を校庭に入れるのを

応援者にもさせると、

 

応援の人も同じ意見。

 

これはやばいだろーと話してると、

校舎の屋上に人影が見えた。

 

向かって左端・中央・三階の教室の、

計三つの影。

 

三人ともそれを確認し、

 

本格的にやばくないか?

と、話をしていた。

 

すると、校舎の方から

人影がひとつ向かって来た。

 

明らかに、

 

この世の生きてる人間では無い

と直感で感じたらしく、

 

三人とも仕事放棄で

逃げたらしい。

 

これも結局は正体不明。

 

明るくなるまで待ってから、

学校には入ったらしい。

 

ちなみに陽が昇ると、

普通の学校で異常も無し。

 

オチはないが、

 

やはり悪寒を感じたら出来るだけ早く、

その場から離れた方が良い。

 

(終)

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