廃寺のフェンスを乗り越えて心霊スポットへ
数年前の夏のこと。
先輩らと4人が集まって、
心霊スポットへ行くことになった。
その時に行った心霊スポットは、
一軒家なんだけど、
昔に一家惨殺の事件があったという。
地元ではそれなりに有名らしくて、
怖い雰囲気を盛り上げるために、
出発したのは午前0時頃。
心霊スポットの家までは一本道。
その一本道の途中、
廃れた寺を通って行くんだけど、
その廃寺を通るためには、
フェンスを乗り越えなければならない。
そのフェンスを乗り越えようとした時、
「こらー!お前ら何やってる!?
この先は危険だから入ったら駄目だ!」
と、そこの住職に怒られた。
結局そういうわけで、
心霊スポットには辿り着けず
帰ってくるはめに。
いつも偉そうにしていた先輩たちも、
住職の剣幕にはかなりビビっていた。
そんな先輩たちの姿を見れただけでも、
俺としては大満足。
(終)
解説
先輩たちがビビってしまったのは、
住職の剣幕・・・にではない。
『廃寺に住職が居た』
ということに怯えたのである。
果たしてその住職は、
現世に生きている人間なのか。
仮にこの世の人だったとしても、
深夜0時の廃れた寺で、
一体何をしていたのだろうか。