深夜のコンビニバイトにて
私はコンビニでアルバイトをしている
フリーターです。
先日の土曜の深夜に、
シフトが入っていた時のこと。
いつもと相変らず、
菓子出しをしたり、
レジを打ったりしているうちに、
ゴミ処分の時間がきました。
ゴミ処分の時間は、
大体2時~3時ぐらいに始めて、
45分後ぐらいで終わります。
田舎のコンビニなので、
辺りは数件の民家と暗い県道、
田んぼと山ぐらいしかなく。
勤務中にも関わらず、
今ではタバコを吸う余裕があるくらい
誰も来ません。
その日も俺は、
ゴミを分別したり
まとめたりしていたのだが、
田んぼを隔てた山から、
子どもの大きな泣き声が
聞えてきました。
その泣き声は、
今まで聞いたことのないくらい大きく、
必死な泣き声でした。
山には家など建っておらず、
その泣き声の子どもが
心配になりました。
しかし、
夜勤ということもあり、
疲れから幻聴が聞えているのでは
と思いました。
タイミングよく来た女性客に
尋ねましたが、
運悪く、聞き耳を立てた時だけ
泣き止むのです。
好奇心が湧きましたが、
バイト中ということもあり
無視し続け、
ゴミ処理も終わったところで、
中の掃除を始めました。
しばらくすると、
10歳くらいの男の子と、
その母親っぽい人が入店してきました。
時計の針は、
午前3時12分を指していました。
母親はカゴに生理用品と
パンを入れるとレジに来て、
俺が会計を済ませると、
すぐに店を出ました。
と、ここで俺は、
一緒に入店した男の子を
置いて行ったことに気づき、
すぐさま、「お客様!」と、
店を出て呼びましたが、
すでに姿は見えませんでした。
とりあえず店の何処かにいる
男の子を探して、
手がかりを見つけよう
と思いましたが、
何処にもいません。
トイレにもバックルームにも、
いませんでした。
そこで相方(バックルームにて休憩中)
に聞くと、
ずっと監視カメラのモニターを
見ていたが、
男の子は映らなかった、
と言う始末。
女性客は来ていたが、
その女性の子どもは見ていないとかで、
背筋がゾッとしました。
(終)