深夜によく料理をしている若い女性
叔母さんが東京で、友達と
アパート暮らししてた時の話。
友達と、服飾を目指し
勉強中だった叔母は、
友達とも毎日帰宅が
深夜だった。
今では珍しくなった木造で、
外側にカンカンと音の出る
鉄の階段が付いていて、
叔母達は2階に住んでいた。
1階のすりガラスには、
いつもお下げ髪を結った
若い女性が映り、
料理を作っていたりする姿を
深夜でも良く見ていたそうだ。
約1年半ほど経った頃、
叔母達の生活は
相変わらず深夜帰宅で、
下にいる女性も、
直接会ったことは無かった。
生活音やガラスに映るシルエットで、
無事に暮らしていたようだ。
家賃をうっかり滞納したため、
ある日、大家が催促に来た。
世間話で、1階にいる
女性の話をしたところ、
見る間に大家の顔色が青ざめ、
家賃も忘れて出ていったそうだ。
しばらくして、大家が
実情を話してくれたそうだ。
なんでも、不倫の末、
自殺した女性なのだそうだ。
もう何年も、1階には
人が住んでいないとのこと。
不倫相手は深夜に
来ることが多かったので、
お下げの女性は、深夜に
良く料理を作っていたそうだ。
(終)
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