深夜の住宅街で不思議な体験

私は今、

 

実家のある群馬に

住んでいるのですが、

 

10年ほど前は、

 

まだ東京都内で

生活をしておりました。

 

杉並区にある

久我山という所で、

 

妻とアパート暮らしを

していました。

 

ある晩の事。

 

深夜0時くらいでしょうか。

 

私は無性に喉が渇いて、

冷蔵庫を開けた。

 

ビールの買い置きが

切れていて、

 

ジュースも入っていない。

 

幸い、近くにジュースの

自販機があるので、

 

かみさんに

 

「ちょっと自販機で

コーラ買ってくるわ」

 

と言って、

 

玄関に続くドアを開けた。

 

後から考えたら、

 

玄関付近の空気が

 

やけに重く感じたような

気がしていた。

 

(ちなみに私は霊感無し。

霊を見たことも無しです)

 

靴を履き、玄関を出て、

外階段を降りた。

 

都内とはいえ、

 

久我山は郊外で

閑静な住宅街。

 

住んでた所は、街灯も

まばらな感じでした。

 

アパートから歩いて

2~3分のところに、

 

自販機がある。

 

その時、その周辺には

人影は無かった。

 

私の足音だけが聞こえる。

 

私の影だけが歩いていく。

 

自販機まで行く途中に、

東京電力のデカイ鉄塔があり、

 

その隣に養護学校がある。

 

小学生までの子供が、

 

そこで昼間のみ

学習している学校である。

 

当直している気配は無い

学校である。

 

自販機のところに行くには、

その養護学校の門の前を通る。

 

秋だったろうか・・・

 

肌寒い夜だったため、

 

私は足早にその門を

通りすぎようとした。

 

そして、

後から考えても、

 

なぜそっちを見たのか

分からないのですが・・・。

 

ふと、門の方を

チラッと見た。

 

すると・・・

 

すぐそこくらいの位置から、

 

「なあに?」と言う、

子供の声がした!

 

当然、子供なんか

そこには居ない・・・。

 

私はそこを足早に

通り過ぎた。

 

ビックリして走り出す人も

いるだろうが、

 

私は足早に通り過ぎた。

 

自分の性格から、

 

自販機でジュースを

買って行かないと!

 

という思いがあったのだろう。

 

急いでジュースを買って、

また元来た道を戻る。

 

門の前も通ることになるのだが、

 

約5メートルの道路の

反対側を通って帰った。

 

門の前は通りたくなかった。

 

だが、通り過ぎる時に、

またチラッと見てしまった。

 

すると・・・

 

さっきは確かに閉まっていた門が、

50センチくらい開いていた。

 

さすがに、

私は走り出しました。

 

急いで帰って、かみさんに

一部始終を話すと、

 

そういう話を信じない

かみさんが、

 

やけに納得した表情で

聞き入ってくれた覚えがあります。

 

嘘偽りのない

体験談だったので、

 

信憑性も何も感じさせ

なかったのでしょう。

 

これが私の経験した、

不思議な話でした。

 

(終)

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