帰宅して直ぐに鳴った呼鈴

東京の友人Sの話で、

最近あったことなのだそうだ。

 

Sには大学生の妹が一人いて、

群馬で親と同居している。

 

先月の初めの頃、

 

Sは仕事の残業が

遅くまで掛かり、

 

日を回ってからの

帰宅となった。

 

アパートに着いたSが

自室の鍵を開け、

 

玄関に入った

その瞬間に、

 

ピンポーンと

玄関の呼び鈴が鳴った。

 

たった今、

 

誰もいない廊下を

帰って来たばかりである。

 

さすがにSは驚いた。

 

内鍵は掛けていたので、

 

恐る恐るドアの覗き窓から

廊下を見てみると・・・。

 

どこか見覚えのある

女が立っていた。

 

良く見ると、それは、

 

実家に居るはずの

妹だった。

 

こんな時間に一人で

東京にいるなんて、

 

よほど重要な用事なのか

と思ったSは、

 

安心しきって今入って来た

玄関のドアを開けた。

 

・・・が、

 

確かにそこに居たのは、

良く知っている自分の妹だった。

 

だが、何かがおかしい。

 

パジャマ姿でノーメイク。

 

とりわけ、荷物を持っている

わけでもなく・・・。

 

何より、身長が本来の

半分程しかなかった。

 

かなりの小人である。

 

それに良く考えれば、

 

用事があれば携帯だって

持っている。

 

連絡をよこさないのは

おかしいのだ。

 

あれこれ考えていると、

 

小さい妹が不意に

口を開いた。

 

「今度帰って来る時で

良いんだけど、

 

あのCD持って来て」

 

言い終わるのと同時に、

妹はフっと消えたそうだ。

 

一瞬にして無くなったのだ。

 

これは何かのメッセージだと

直感した。

 

Sは、まさか妹が何か

危険な状態にあるのでは・・・

 

と気が動転し、

 

すぐさま妹の携帯に

電話を掛けた。

 

3回掛けたが繋がらず、

4回目でやっと電話が繋がった。

 

出たのはもちろん妹だが、

 

その声は野暮ったく、

随分かすれていた。

 

Sが安否を確認すると、

 

妹は今の今まで普通に

家で寝ていたのだという。

 

それ以外に体調が

悪いような感じでもなく、

 

Sはひとまず安心した。

 

・・・だが、

 

何か変わった事が無いか

尋ねると、

 

妹は、こう言った。

 

「兄ちゃんのアパートに居る、

夢を見た。

 

あーそうだ、

 

貸して欲しいCD

あるんだけど・・・」

 

(終)

スポンサーリンク

コメントを残す


↓↓気が向けば応援していってください(*´∀人)♪
にほんブログ村 哲学・思想ブログ 心霊・怪談へ (ブログランキングに参加しています)
サブコンテンツ

月別の投稿表示

カレンダー

2017年11月
« 10月    
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  
特定のキーワードからサイト内の記事を検索するには、すぐ下の「検索窓」からキーワードを直接入力してご利用ください。
アクセスランキング

このページの先頭へ