高校時代に暮らしたいわくつきの寮にて
高校の頃、
寮生活だったのだが、
その寮がいわゆる、
いわくつきの寮だった。
なんでも、
昔に自殺した人が
いたとか・・・。
詳しいことは
良く分らなかったが。
ある日、
夜中の2時頃に物音がして
目が覚めた。
なんだ?って思って、
でも気のせいかなと、
また寝ようとしたら、
『コンコン』
とドアをノックする
音がした。
夜中に誰だよって、
ムカムカしながら
ドアを開けたけど、
誰もいない。
・・・気のせい?
不思議に感じながら
布団に向かったら、
『コンコン』
また鳴った。
ちょっとドキドキしながら
ドアを開けてみたけど、
やっぱり誰もいない。
さすがに怖くなって
布団を頭から被っていたら、
『コンコン』
また鳴った。
無視していたら
ノックの音が絶え間なく
『コンコンコンコンコンコン』
と続くようになった。
やばいやばいと思っていたら、
なんだか音が移動している
ことに気がついた。
ドアのところからゆっくりと
壁伝いに。
自分は隅っこが好きな人間で、
寝る時は部屋の角に
布団を敷いて寝る。
明らかにこっちに
向かって来ている。
緊張のせいか、
金縛りのせいか、
よく分からないけど
体が動かない。
近づいて来る!
ぶるぶる震えていたら、
途中で音が消えた。
良かったと安心した瞬間、
耳元で『バンバン!』って
壁を思いっきり叩く音がした。
びっくりした拍子に体が動いて、
一目散に部屋を出て、
友達の部屋に入れてもらった。
後日、
その寮の友達数名とファミレスで
怖い話をし合ってる時、
さっきの話をした。
俺「ま、たぶん寝ぼけて
いたんだけどね~(笑)」
とか言いながら、
霊なんているわけないし~
とか喋っていた。
しばらくして、
トイレで用をたしている時、
トイレの壁が『コンコン』
って鳴った。
えっ!って思った瞬間、
凄い低い声で・・・
『いるよ』
って言われた。
すぐにトイレから出て、
皆のところに逃げました。
ちなみに、
そこのファミレスは
3階の位置にあり、
トイレの外は数十センチ先に
隣のビルが隣接している。
なので、
人がトイレの外にいることは
絶対に有り得ないのだが・・・。
(終)