中学時代からの女友達との話 3/3

猫

 

「お願いだから押さえてて。

順一君のためなんだから」

 

「む、無理・・・無理・・・」

 

「じゃあ、さっき言った通り、

頭の中で思うことだけやって。

 

あと、目は閉じないで

この体育着をちゃんと見てて」

 

「わ、分かった・・・」

 

俺の見てる前で、

 

佳織は足で猫の前足を

踏みつけるようにして抑えつけ、

 

今度は三度、

ハンマーを振るった。

 

腹が潰れた猫が、

地面に置かれた。

 

体育着から取り出す時に、

 

佳織の手には血が付いて

しまっていた。

 

さらに、

 

次に地面に並んだのは

四本の脚を砕かれた猫。

 

またその次も同じで、

 

この二匹は凄い鳴き声を

あげても生きていた。

 

最後の方、俺はもう、

見ていることが出来なくて、

 

本気で怖くて、

 

佳織に何度か注意されたけど、

目を逸らしていた。

 

佳織はその後、

 

掘ってあった穴に

全部の猫を放り込んで、

 

埋めてしまった。

 

(まだ生きていた二匹も・・・)

 

これは俺も手伝った。

 

「最後の方、

ちゃんと見てなかったでしょ?」

 

「見れないよ。

あんなの意味あんのかよ?

 

やばいって!

どう考えても・・・」

 

「意味あるよ、

・・・あると思う。

 

手足は上手くいったか

分からないけど、

 

頭と体は多分、

大丈夫になったから」

 

俺と佳織は森林公園から出ると、

ほとんど話さないまま家に帰った。

 

血が染みた体育着は、

佳織が持ち帰った。

 

それから冬休みになるまで、

俺は佳織と口をきかなかった。

 

別に順一に何の変化もなかったし、

 

あの猫は殺し損というか、

 

佳織は単にやばい奴だったと

思ったりした。

 

猟奇趣味に付き合わされただけ

なんじゃないかと思った。

 

でもやっぱり、

佳織は単に危ない奴じゃなかった。

 

冬休み中に、

 

順一は父方の実家に

家族で里帰りして、

 

火事にあった。

 

両親と親戚が、

何人か亡くなったらしい。

 

妹さんも重体でやばかったけど、

命は取り留めた。

 

順一はというと、

 

腕に少し重い火傷を負った

だけで済んだ。

 

俺がこのことを知ったのは、

冬休みが終わってからだった。

 

順一は、難を逃れた伯父夫婦の家に

引き取られることになったけど、

 

さらに二週間ほどして、

 

その伯父さんが遺書を残して

自殺してしまった。

 

遺書には『人を殺した』うんぬんが

書かれていて、

 

後日に死亡のまま、

逮捕だか送検だかされた。

 

順一の家の近くに住んでた人で、

 

俺も見知っていただけに、

これにはホントに驚いた。

 

順一は凄いショックを受けたようで、

見てるのも気の毒だった。

 

順一はその数日後、

ずっと遠くの親戚に引き取られ、

 

三学期が始まって間もないうちに、

引っ越していった。

 

佳織の言っていたことは

的中していたわけで、

 

俺は佳織とまた話すようになり、

ごめんと謝った。

 

佳織は別に怒ってないと

言ってくれたが、

 

俺の質問には嫌がって

答えてくれなくて、

 

一年くらいしてからようやく、

 

あの時に何をしたのか

話してくれた。

 

なんか、色々祟りとか、

 

呪いの原理(彼女なりの理解だと言っていた)

を話してくれた。

 

要は、思い込みの力らしい。

 

今回は猫を順一の体に見たてて、

 

俺たちがそう思い込むことで

祟ろうとしてる奴を騙し、

 

あの森林公園で

怨みを受けたことにして、

 

順一本人は助かったと言う。

 

他にも何か言ってたけど、

良く分からなかった。

 

というわけで、

 

俺は呪いとか祟りとか術とか、

そういうものは確実にあると思う。

 

実際、こういうのを

見てしまったわけだし。

 

俺は、「もし俺が死にそうだったら

隠さずに教えてくれ!」と言って、

 

佳織と友人でいた。

 

それからも色々と

変な目に遭ったけど、

 

今も実はかなり仲の良い方の

友人かも知れない。

 

多分、佳織がやばい奴であることに

変わりはないんだろうなとは思うが。

 

あと、猫は直視出来なくなった・・・

 

(終)

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