中学の時にあった恐怖体験 2/2

猫

前回までの話はこちら

彼女が言うには、それから立て続けに怖い体験をするようになったので、それを猫の霊の仕業だと考え、それらしいような噂が立っていた私に猫の霊を押し付けようとしたのだそうです。

 

そして、「酷いことをしたのは謝るから一緒にお祓いに来てほしい」と言われました。

 

自分だけが受けるべき呪いが、私にも降りかかっていたら申し訳ないからと。

 

私は気になって、「怖い体験って?」と訊いてしまいました。

 

香川さんは怯えたように私にくっ付きながら話してくれました。

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香川さんの身に起きた恐怖体験

「ミイの首が足にぶつかるの。歩いてて何か蹴ったなと思って下を見ると、それがミイの頭なの。見ないようにしてどんどん歩いても、何度も何度も蹴る。踏んだりして段々その形が変わっていくのが分かる」

 

「寝てる時、暖かいものが布団に入ってくるの。ああミイだな、と思って抱きしめるんだけど、あれ、ミイって私が殺したのに・・・って気づくでしょ。そうするといきなりそれが冷たくなってベチョベチョした感触になる。驚いて飛び起きたら、もういないの」

 

彼女の話は大体こんな感じでした。

 

聞いているだけで寒気がしたのを覚えています。

 

それで、「私はそんなこと一切無かったよ。香川さんはまだそんな風なの?」と、また訊くと、彼女は「腕に毛が生えてきた」と言います。

 

「猫の毛なの。だんだん増えてくる。それで、ひげも生えてきた。昨日からは、耳も生えてきたの!見てよ、この耳!見てよ!」

 

香川さんが興奮して帽子を外したので、私は半信半疑で立ち上がって彼女の頭を見てみました。

 

が、猫の耳なんてもちろんどこにもありません。

 

「無いよ」と告げると、彼女は怒ったように「あるはずだ!あるはずだ!」と怒鳴るので、私は気味悪くなりました。

 

「それじゃあ、ひげも見せてみてよ」と、湿布を剥がそうとすると、香川さんは打って変わって弱気になり、「お願い、それはやめて」と、メソメソしながら拒みました。

 

私はそこですっかり、『香川さんはおかしくなってしまったんだ』という結論に至って、「夜も遅いからもう帰ろう」と言いました。

 

香川さんが「お祓いの件は約束してほしい」と言うので、「いいよ、一緒に行こうね」と慰めてあげました。

 

すると突然、香川さんが頬に唇を付けてきて、目元を舐められました。

 

正直気持ち悪かったのですが、もう私も疲れ切っていたので軽く振り払って二人で歩き出しました。

 

香川さんはまた帽子を目深に被っていました。

 

しばらく歩いていると、香川さんがいきなり立ち止まりました。

 

数メートル先に行っても付いて来ないので、振り向いて名前を呼ぶと、じっと俯いたままでした。

 

そして、モジモジと足を動かすような動作をしました。

 

「しつこい!」と、突然香川さんが怒鳴りました。

 

下を向いたままで。

 

私は何か悪いことを言ったかと思い、彼女に謝ろうとしました。

 

「ミイ!しつこい!」

 

ミイというのは香川さんの飼い猫の名前だったのですが、香川さんはしきりに「ミイ!しつこい!」とばかり叫んで足を小さく動かしています。

 

それが何かを突くような仕草だと気づいて、『もしかして香川さんには今あそこにミイの頭が見えているんだろうか』と思いに至りました。

 

無論、地面には何も落ちていません。

 

「香川さん、そこには何もないよ?」と言っても香川さんは興奮したままで、「しつこい、しつこい、しつこい!!!」と大きく足を振り、その“何か”を蹴るような動作をしました。

 

と、その時・・・ガン!と、何かが私の足に勢いよくぶつかりました。

 

気のせいなどでは済まされない感触で、何か小ぶりのボール大のものがぶつかって跳ね返っていったのが分かりました。

 

香川さんは顔を上げていて、私の足にぶつかって跳ね返ったものが転がっていっただろう辺りを目で追っていました。

 

しかし、やっぱりそこには何も見えません。

 

何が起こったのか分からないでいるうちに、香川さんはハッとした感じで私を見ると、「ごめんね」と真っ青な顔で言いました。

 

直後、私は信じられないほどの恐怖にかられて、彼女を置いて家まで逃げ帰りました。

 

家では、遅くなった私を家族が心配して待っていました。

 

母親に「顔色が悪い」と言われてすぐ風呂に入らされ、一人で湯につかった後、洗い場でふくらはぎを見ると大きな青アザが出来ていました。

 

怖くてすぐ布団に入ったのですが、急に熱を出して家族に看病されました。

 

次の日、熱はすぐに下がったのですが、具合が悪いと言って学校を休みました。

 

休日を挟んで月曜日。

 

学校へ行くと、クラスの子が三人ほど私に謝ってきました。

 

面食らっていると、なんでも私が初めて学校を休んだので、無視やいじめの度が過ぎたのだと思い込んだようです。

 

その子たちを見て、結局クラスのほとんど全員が私に謝罪してきました。

 

香川さんは来ていませんでした。

 

それからも二週間ほど香川さんの姿を見ることはなく、学校にも登校しないまま、いつの間にか席も無くなったようでした。

 

お祓いどうこうの話も、そのまま無くなりました。

 

ただ、足に出来た青アザは、その後も二年間ほど残り、それを見る度に私はミイの話を思い出して気持ちが悪くなりました。

 

猫に関する恐怖体験は幸いにも特に無かったこと、中学を卒業する頃にはアザもすっかり綺麗に消えたことが救いでした。

 

香川さんのおかげと言っては何ですが、それからは私も学校で友達を作れるようになりました。

 

彼女にこれ以上関わりたいとは思わなかったので、香川さんがその後どうなったかは知りません。

 

(終)

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