リゾートバイト(本編)2/14

そしたらBが、

「じゃあ、女将さんの後ろ

つけりゃいいじゃん」

ていう提案をした。

 

A「つけるってなんだよ。

この狭い旅館でつけるって、

現実的に考えてバレるだろ」

 

B「まーね」

 

「なんで言ったんだよ」

 

AB俺「・・・」

 

3人で考えても埒があかなかった。

 

来週には、残りの2人が

ここに来ることになってるし、

何事もなく過ごせば

楽しく過ごせるんじゃないかって思った。

 

だけど俺ら男だし。

3人組だし?

 

ちょっと冒険心が働いて、

「なにか不審なものを見たら報告する」

ってことで、

その晩は大人しく寝たわけ。

 

そしたら次の日の晩、

Bがひとつ同じ部屋の中にいる俺達を

わざとらしく招集。

 

お前が来いや!!と思ったが、

渋々Bのもとに集まる。

 

B「おれさ、女将さんがよく2階に

上がるっていったじゃん?

あれ、最後まで見届けたんだよ。

いつも女将さんが、

階段に入っていくところまでしか

見てなかったんだけど、

昨日はそのあと出てくるまで

待ってたんだよ。

そしたらさ、

5分くらいで降りてきたんだ」

 

A「そんで?」

 

B「女将さんて、いつも

俺らと飯食ってるよな?

それなのに盆に飯乗っけて

2階に上がるってことは、

誰かが上に住んでるってことだろ?」

 

「まあ、そうなるよな・・・」

 

B「でも俺らは、そんな人

見たこともないし、話すら聞いてない」

 

A「確かに怪しいけど、

病人かなんかっていう線もあるよな」

 

B「そそ。俺もそれは思った。

でも5分で飯完食するって、

結構元気だよな?」

 

A「そこで決めるのはどうかと思うけどな」

 

B「でも怪しくないか?お前ら怪しいことは

報告しろっていったじゃん?

だから報告した」

 

語尾がちょっと得意気になっていたので、

俺とAはイラっとしたが、そこは置いておいて、

確かに少し不気味だなって思った。

 

2階には何があるんだろう?

みんな、そんな思いでいっぱいだったんだ。

 

次の日、いつもの仕事を早めに済ませ、

俺とAは、Bのいる玄関先へ集合した。

 

そして、女将さんが出てくるのを待った。

 

しばらくすると女将さんは

盆に飯を乗せて出てきて、

2階に上がる階段のドアを開くと、

奥の方に消えていった。

 

ここで説明しておくと、

2階へ続く階段は玄関を出て外にある。

 

1階の室内から2階へ行く階段は、

俺達の見たところでは確認できなかった。

 

玄関を出て、壁伝いに進み、

角を曲がると、そこの壁にドアがある。

 

そこを開けると、階段がある。

(わかりずらかったらごめん)

 

とりあえずそこに消えてった女将さんは、

Bの言ったとおり5分ほど経つと戻ってきて、

お盆の上の飯は空だった。

 

そして俺達に気づかないまま、

1階に入っていった。

 

B「な?早いだろ?」

 

「ああ、確かに早いな」

 

A「何があるんだ?上」

 

B「知らない。見に行く?」

 

A「ぶっちゃけ俺、

今ちょーびびってるけど?」

 

B「俺もですけど?」

 

「とりあえず行ってみるべ」

 

そう言って、3人で2階に続く

階段のドアの前に行ったんだ。

 

A「鍵とか閉まってないの?」

 

というAの心配をよそに、

俺がドアノブを回すと、すんなり開いた。

 

カチャ・・・

 

ドアが数センチ開き、

左端にいたBの位置からなら、

かろうじて中が見えるようになったとき、

 

B「うっ」

 

Bが顔を歪めて手で鼻をつまんだ。

 

A「どした?」

 

B「なんか臭くない?」

 

俺とAには何もわからなかったんだが、

Bは激しく匂いに反応していた。

 

A「おまえ、ふざけてるのか?」

 

Aはびびってるから、

Bのその動作に腹が立ったらしく、

でもBはすごい真剣で

「いやマジで。匂わないの?

ドアもっと開ければわかるよ」

と言った。

 

俺は、意を決してドアを一気に開けた。

 

モワッと暖かい空気が中から溢れ、

それと同時に埃が舞った。

 

「この埃の匂い?」

 

B「あれ?匂わなくなった」

 

A「こんな時にふざけんなよ。

俺、なにかあったら

絶対お前置いてくからな。

今、心に決めたわ」

 

と、びびるAは悪態をつく。

 

B「いやごめんって。

でも本当に匂ったんだよ。

なんていうか・・・

生ゴミの匂いっぽくてさ」

 

A「もういいって。気のせいだろ」

 

そんな二人を横目に、

俺はあることに気づいた。

 

廊下がすごい狭い。

人が一人通れるくらいだった。

 

そして、電気らしきものが見当たらない。

 

外の光で、かろうじて

階段の突き当たりが見える。

 

突き当たりには、

もうひとつドアがあった。

 

「これ、上るとなると一人だな」

 

A「いやいやいや、上らないでしょ」

 

B「上らないの?」

 

A「上りたいならお前行けよ。

俺は行かない」

 

B「おれも、無理だな」

 

AがBを殴る。

 

「結局、行かねーのかよ。

んじゃー、俺行ってみる」

 

AB「本気?」

 

「俺こういうの、気になったら

寝れないタイプ。寝れなくて

真夜中一人で来ちゃうタイプ。

それ完全に死亡フラグだろ?

だから、今行っとく」

 

訳のわからない理由だったが、

俺の好奇心を考慮すれば、

今AとBがいるこのタイミングで

確認する方がいいと思ったんだ。

 

でも、その好奇心に引けを取らずして、

恐怖心はあったわけで。

 

(続く)リゾートバイト(本編)3/14へ

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