スズメに餌をあげてはいけない理由 1/2

スズメ

 

「スズメに餌あげちゃだめですよ」

 

そう年下の先輩に言われたのは、以前の職場で働き始めて2ヶ月が経った頃でした。

 

当時デイケアで働き始めたばかりの私に、指導係として付けられたチカちゃん。

 

チカちゃんは年上の後輩という扱い難いだろう私に、親切に仕事を教えてくれる優しい女の子でした。

 

彼女と私は動物好きという共通点から仲良くなり、傍から見ても良い関係を築けていたと思う。

 

いつもニコニコしている彼女が厳しい顔で言ったのが、冒頭の一言です。

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今頃(6月)の時期になると、スズメが巣立ったばかりの子供を連れて餌を探しているんです。

 

田んぼの真ん中にあるような田舎の職場なので、スズメの親子たちを頻繁に見かけました。

 

可愛いなあ~と、忙しい仕事の合間にちょっと外を覗いては癒しをもらっていたんです。

 

チカちゃんも同じだった様で、「可愛いですよね~」と緩んだ笑顔で癒されていました。

 

「でもね、餌はあげちゃダメですよ?」

 

今まで笑っていたチカちゃんのいつにない真剣な表情に、ちょっとビックリした私。

 

でもすぐに、ああ、糞とかで汚されたりとかあったのかな?と思いました。

 

しかし、次の一言で思いっきり首を傾げてしまったんです。

 

「取られちゃうから」

 

(え・・・?取られるって何?)

 

「・・・や、焼き鳥とか?」

 

「いやいや(笑)そうじゃなくて(笑)

 

最初に餌をあげたりしたら、集まってきたスズメを誰かが『焼き鳥』用に捕まえるのかな、と思った私・・・

 

思いっきり笑われました。

 

その理由は、以前に働いていたチカちゃんの先輩がきっかけだったそうです。

 

チカちゃんの先輩は私やチカちゃん同様に、かなりの動物好きだったらしいのです。

 

その先輩がダイエットを始め、お弁当のご飯を少し残し始めた。

 

もったいないからと、水で解してスズメに与え始めたのがきっかけだと言う。

 

最初はあまり近寄って来なかったスズメ達も、徐々に餌が置いてある状況に慣れてきたようで、餌を求めてやって来るスズメも増えていったそうです。

 

すると、だんだんデイケアの利用者達もそのスズメが可愛くなってきたようで、時間があれば眺めるお年寄りも。

 

責任者も、犬や猫とは違い、特別手が掛かるわけでもないので咎められる事はなかった。

 

だが、餌をやり始めて一年ほど経った頃、先輩はあるものを見つけた。

 

苑外行事で利用者や職員が出払った折、残った職員で普段手がまわらない場所を

掃除する事になった。

 

先輩は施設の裏の一面砂利が敷いてある職員用の駐車場の清掃に。

 

砂利の間から伸びた草を抜き、捨てられた吸殻を見つけてはブツブツ文句を言っていた時に、それを見つけた。

 

一見、枯れ草のように見えたそれは、手に取ってみると“干からびた鳥の死骸”だった。

 

それが成鳥だったのか、雛だったのかは分からない。

 

恐らくスズメの死骸だっただろうと思い、先輩は駐車場のすぐ横にある花壇のそばに埋めてあげたそうです。

 

「その辺の気持ち、すごいよくわかる」

 

「動物好きはそうしますよね」

 

「でも何で死んでたんだろうね?スズメが集まってるから猫が来たとか?」

 

「私達も最初はそう考えたんですよ。でもね、おかしいんですよ」

 

その清掃の数日後、今度は別の職員がその死骸を見つけたと言う。

 

同じように干からびた状態で、しかも二羽分の死骸を。

 

「それでね、よくよく考えたら2~3日前に掃除したばかりだから、猫に取られたとしても死んでからそんなに経っていないわけじゃないですか?」

 

「それに、そんなに早く死骸って干からびないでしょ?」

 

「・・・そうだね。しかも、今と同じ梅雨の時期だったんでしょ?」

 

「そうなんですよ!真夏ってんならまだ分かりますけどね。ジメジメした時期に・・・」

 

それでも一番可能性があるのは、別の動物から襲われた以外に考えられず、スズメへの餌やりは止める事になった。

 

スズメを罠に掛けていたも同然だと、先輩は一時相当落ち込んだらしい。

 

そんな理由があるのなら仕方ないと思ったのですが、それだけではなかった。

 

スズメへの餌やりを止めてひと月が過ぎたぐらいから、先輩にはある不思議な現象が起こり始めた。

 

仕事をしている最中に、ふと視界の端に何か黒いものが映るという。

 

何かが過(よ)ぎったのか?と、その黒い影を追ってみても何もない。

 

この時はチカちゃんも、仕事中によく振り返ったり首を傾げたりしている先輩を見ていたそうです。

 

でもそれ以外には特別何も起こっておらず、他の職員も、利用者も、施設自体にも何もなかった。

 

先輩も特には気にする事もなく、そのうち慣れてしまった様子だったとか。

 

職場では営業を終えた後、シャッターを閉めるんです。

 

先輩以外が初めて異常を感じたのは、このシャッターを閉めている時でした。

 

(続く)スズメに餌をあげてはいけない理由 2/2

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