何処へ引越しても追いかけてくる女の霊 2/2

縁側

 

さらに5年が経った。

 

実家を改装して2階が広くなり、

部屋が5つ出来た。

 

兄の部屋は西日しか当たらない

位置にあるので、

 

日中は結構暗い部屋だった。

 

ある日、

俺が2階に上がろうとした時、

 

誰もいないはずの兄の部屋から

ギシギシと軋む音がするうえに、

 

ドンドンと壁を蹴っているような

乱暴な音がするので、

 

ちょっと怖い気もあったが覗いてみた。

 

すると、

 

カーテンレールの上には、

女の頭が乗っかっていた。

 

不自然なほど顔が暗くて、

半開きしている口元しか見えない。

 

電気を点けるヒモには

首の無い体がぶら下がっていて、

 

それが壁を蹴っ飛ばしている。

 

俺は「ヒェェェッ!!」と、

 

漫画のようなセリフを叫びながら

階段を転げ落ちた。

 

1階のリビングでテレビを観ていた父に、

今見たものを話した。

 

父は「はぁ?はぁ?」と連発しながら

俺の話を聞いていたが、

 

すぐ2階に走っていった。

 

俺は恐ろしくてその場で凍りつき、

とりあえずそのままテレビを観ていたが、

 

父が10秒ほどで下りてきた。

 

何もいなかったらしい。

 

その晩、

外出から帰ってきた兄に話すと、

 

真っ青になって「マジ?こえー!」

とか言いながら、

 

1階の縁側の小部屋に、

布団を準備し始めた。

 

俺は祖母に、

 

この辺りで昔に事故とか起こらなかったか

どうか訊いてみると、

 

実家の裏にある道路で、

タクシー運転手の死亡事故があったらしい。

 

道路のすぐ脇に川があり、

その川に突っ込んで死んでしまったという。

 

ブレーキ跡が無かったので、

 

警察は自殺だろうと言い、

運転手を運んだ。

 

祖母はその騒ぎに近所の友達と

一緒に行ったらしいが、

 

担架に運ばれている運転手の顔が、

妙に強張っていたそうな。

 

昔からこの辺りは見通しが良いわりに、

妙に事故が多い。

 

俺も3回ほど、事故を見ている。

 

さらに4年が経って、

 

兄は山口の大学へ通うために

引っ越していった。

 

母と部屋を分けて使っていた俺は、

兄の部屋を引き継がせてもらうことになった。

 

それから1年後。

 

俺は中学の部活のおかげで、

ヘトヘトになりながら布団に潜り込んだ。

 

その日はなぜか眠れず、

 

夜9時に布団に入ったのに、

11時を回っても寝れる気配がない。

 

すると突然、

 

明らかに部屋の中では

女の狂ったような笑い声が響き、

 

凄まじい速さで全身に鳥肌を

立たせながら俺は起きた。

 

「イヒヒヒヒヒヒヒヒ・・・」

 

と古臭い笑い方だったのが、

心底気味が悪い。

 

慌てて母と姉を起こして、

今起こったことを説明した。

 

3人で部屋を調べたが、

特に変わった所はない。

 

恥ずかしいけれど、

その日は母の部屋で寝ることに・・・

 

それから半年が経った。

 

ある日、姉は友達を2人、

家に泊まりに来させて、

 

その夜は3人で部屋を撮影して

遊んでいたらしい。

 

1週間後。

 

写真を現像した姉は真っ青になって、

俺に話しかけてきた。

 

「私を撮った写真に、

変なもんが写っとんよ~」

 

とか言いながら、

写真を見せてもらった。

 

確かに姉の後ろの窓からは、

ハゲた男の顔と、

 

俯いている女のシルエットが

クッキリと写っている。

 

話を聞くと、

 

文化祭でも自分の写真にだけ、

変なモノが写ったらしい。

 

姉は気味悪がって、

 

2枚の写真を寺に持って行って

御祓いしてもらうことにした。

 

姉も昔から兄が見た女の人や、

 

俺が見た生首のことを

非常に気味悪がっていたので、

 

寺にそのことを言ったらしい。

 

その時に、姉が住職さんから

聞いた話によると、

 

「もしかして君の家には

納屋があるんじゃないんかね?

 

納屋っていうのは普通なら

物置として使われているんじゃけど、

 

昔は家に知的障害者とかが生まれると、

納屋に閉じ込めて近所の人から隠すんよ。

 

築30年以上っていったら、

まだその風習が続いてた頃かも知れんねぇ。

 

もしものことがあるけぇ、

 

供え物とお経を唱えた方が

いいのかも知れんねぇ」

 

と聞いたらしい。

 

祖母に納屋のことを聞いてみたが、

ここに住み始めた時から納屋はあり、

 

当時からかなりボロボロだったので、

 

何度も祖父が木材を持って来ては

補強していたらしい。

 

父は風習を聞いたことが無く、

 

納屋を調べに行ったが、

それらしい場所は無かった。

 

しかし、

 

あるスペースだけが不自然に

土壁で塗り固められ、

 

その場所に行くための床が打ち砕かれて

入れないようになっていた。

 

(終)

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