葬儀屋をやっているのですが
私は葬儀屋をやっています。
やはり人の死に携わっている為か、
色々と不思議なことがあります。
今までで一番驚いたのは、
旦那さんが亡くなったお通夜の晩に、
急に奥さんが倒れられて、
そのまま亡くなったことです。
しかし、
これは心労が重なった為でしょうね。
特に怪異とは言えません。
葬儀屋さんの不思議な体験談・・・
火葬場での線香の煙が、
ある一人の参会者に当たり続ける、
ということがあります。
その場の風の流れと思うかも知れませんが、
その人が立つ位置を変えても、
煙が向きを変えてやはり当たり続けます。
気がついた人は気味悪がって
位置を変え続けるのですが、
その場を離れない限りどうにもなりません。
これは不思議ですね。
納棺後、
口が開いてしまう方がいます。
これは死後硬直と弛緩のせいで、
滅多に無いことですが不思議とは言えません。
最後のお別れには不都合なので、
棺のふたを開けてお顔を直させて
いただくのですが、
一度だけ、口の中から人の親指が
出てきたことがありました。
そして、その方の左親指が、
食いちぎられたように無くなっていました。
血は出ていなかったので、
死後のことなのでしょう。
これは本当に不思議です。
高齢のお婆さんの葬儀の際、
お友達と思えるお婆さんが、
ぶつぶつと何かを唱えているのを
聞いてしまいました。
どうやら、
「○○さん(故人)よ、
□□(その場にいた親戚の方らしい)を
引っ張っていってくれろ」
という呪詛の言葉のようです。
あの世に引っ張っていってくれ、
という意味だと解釈しました。
一周忌でそのお宅を訪問した時、
いけないとは思いつつも、
ついつい好奇心に負けて、
□□さんの安否を尋ねてしまいました。
□□さんは八ヶ月ほど前に、
お亡くなりになったということでした。
これは偶然でしょうね・・・
(終)