突然降り出した大雨だったはずが・・・
これは、自転車でバイトに行った時の不思議な体験話です。
家を出る時は晴れていたのですが、すぐに雨が降り出しました。
家からバイト先までは自転車で10分程度です。
一度帰って傘を持って出るのも面倒だったので、そのまま雨の中を突っ切って行くことにしました。
そうしたら、もの凄い雨に。
私には何がなんだか
ポツポツと降り出したかと思うと、すぐにザザザァーと大雨に。
自転車ではまともに目を開けていられない程の状態です。
手はハンドルを握っているので顔も拭えません。
そのまま殆ど目を閉じた状態で必死に自転車を漕ぎ、バイト先に到着した頃にはコートも何もかもがズブ濡れになっていました。
裏口近くの駐輪場に自転車を止めて、走ってお店に入りました。
裏口のすぐそばにスタッフルームがあり、更衣室もその中です。
私は急いで部屋に駆け込みました。
部屋の中には、副店長とバイトの女子二人がいました。
そして私が部屋に入った途端、みんなに「どうしたの、それ!?」なんて言われました。
私は「家を出てから急に降ってきちゃいまして・・・」なんて答えながら、寒いし濡れているのですぐに着替えようとしたのですが、副店長が私の腕を掴んできたのです。
そして真剣な目をして、「本当にどうしたのそれ?何があったの?」と言います。
「だから、雨が降り出しちゃって・・・」と言ったのですが、腕を離してくれません。
それどころか、「何を言ってるのよ!」と突っかかってきます。
私にはその時、副店長が何を言っているのか分からなかったのですが、一緒に部屋にいた子がこう言いました。
「だって、雨なんか全然降ってないですよ!?」
私は急いで裏口のドアを開けに行きました。
すると、外は雨なんて全然降っていませんでした。
私には何がなんだか分かりません。
まるで「えっ?」という状態です。
なにしろ私はたった今、濡れながら自転車でやって来たのです。
雨が降っていないわけがないのです。
それも大雨だったのですから。
でも、地面がまったく濡れていません。
なのに、私の足跡だけがしっかり濡れて残っていました。
誰しもが「雨なんか降っていなかった」と言います。
でも、私が自転車で走っている間はずっと雨だったのです。
私はあまりに不思議すぎて言葉が出なくなりました。
結局、みんな不思議がったり怖がったり。
その後、着替えている間にどんどん怖くなってしまいました。
当日の気象庁の記録を確認してみると、雨は全く降っていないようです。
帰りはそんなおかしなことはなかったのですが、これも心霊現象や怪奇現象の類なのでしょうか。
ひどく納得がいかないのです。
友達に聞いても、「晴れていた」と言います。
自分でも怖かったのですが、それ以前に意味が分からなくて・・・。
一体、何が起きていたのでしょうか?
(終)