山村に嫁いできた若い女子を食らう山姥
これは、私の知り合いに伝え聞いた『山姥(やまんば)』のお話。
昔の山村といえば、本当に交通網が発達していなかった。
隣町へ行くにも、歩いて峠を何回も越えなければならない事も当たり前だった。
そんな山村の付近の山に住んでいたという山姥。
この山姥が標的にしていたのは、主に外部から嫁いできたお嫁さんだった。
山姥のテリトリーの山に入ると、お嫁さんが忽然と消えてしまうことが度々あった。
そして消えてからしばらくすると、山村に着物の一部と骨の一部だけが届いているという事も。
山村の民の間では、『若い女子を食らう山姥』ということで恐れられていた。
・・・というのは上辺の話で、この山姥の本当の姿は、「嫁ぎ先で酷い目に遭い、それでも手段が無いせいで逃げられない、というお嫁さんをこっそりと逃がしていた」だそうな。
この話を私にしてくれた人の知り合いが、実際に逃がしてもらったとかそうじゃないとか。
(終)
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