とある小さな山の中心にあったもの
これはもう昔の出来事になるが、とある小さな山での話。
トンネル建設のため、中国地方の山中を掘削機で掘削中の時だった。
急に機械が停止した。
何があったのか前へ確かめに行くと、作業員の一人が「なんで機械が止まったのか分からないのですが、こんなものが・・・」と足元を指差した。
そこには、『多数の墓石』が散乱していた。
そういった墓石や骨などが出てくるのはさして珍しい事ではないのだが、不思議なのはその場所だった。
その地点は200メートルくらいの山のちょうど中心。
言うなれば、山をそのまま墓地の真上に「ドン!」と落とさなければ、このような場所から出てくるとは考えられない。
人工的な山ではないし、以前に穴を掘った跡のようなものも見受けられなかった。
首を傾げつつも、工期に遅れるわけにもいかないので、そのまま工事を行い完成に至ったという。
考察
山津波や山体崩壊でしょうか。
広島県の山中に『津波』という地名があり、そこは山がすっぽり滑り動いた地形だそうです。
その下に、集落がすっぽり埋まっているとか。
小さな村などが自然災害に遭い、そのまま忘れられた例は意外とあるのかもしれません。
(終)